【実例あり】交通事故慰謝料・示談金をいくらもらった?
最終更新日:2024年11月19日/投稿日:2022年10月20日/執筆者弁護士豊田 友矢
交通事故の「慰謝料」をいくらもらった人がいるか知りたい方は多いと思います。
ただここで使われている「慰謝料」という言葉は、実際には治療費などの既払金を控除した後の「示談金」という意味で使われていることがほとんどだと感じています。
つまり、示談したときに、既払の治療費などの他に最終的にいくら「示談金」もらえるのかというところを本当は知りたいのではないかと思います。
この「示談金」には慰謝料以外にも、逸失利益など様々なものが含まれていることがあります。
ここでは治療費などの既払金以外に、最終的に「示談金」をいくらもらった人がいるのかについて見ていきたいと思います。
目次
交通事故慰謝料をいくらもらった?シーアクトで解決した実例
50万円未満の実例
示談金が50万円以下になるのは、物損事故、かなり軽傷の事故、被害者の過失がそれなりにある軽傷の事故などが多いです。
▶3日間の示談交渉で示談金を5倍に増額してスピード解決した事例
50万以上100万円未満の実例
示談金が50万以上100万円以下になるのは、むち打ちなどで通院が数ヶ月に及び無過失の事故などが多いです。
▶運転手は過失ありでも同乗者は無過失で裁判基準の慰謝料を獲得した事例
100万円以上300万円未満の実例
示談金が100万円以上300万円未満になるのは、むち打ちなどで14級が認定されたケースが多いです。
▶腰椎捻挫の治療中から後遺障害認定をサポートし、14級が認定され、約285万円の示談金を得た事例
300万円以上1000万円未満の実例
示談金が300万以上1000万未満になるのは、後遺障害14級が認定されて事故前の収入が比較的高いケースや、後遺障害12級が認定されたケース、後遺障害11級以上が認定されたが被害者の過失がそれなりにある場合などが多いです。
▶裁判をして保険会社が支払を拒否した治療費を認めさせ約585万円の賠償金を得た事例
▶むちうち等の被害者について14級を獲得し、保険会社の提示額から約4倍に増額した事例
▶肘骨折後の痛みについて非該当から異議申立で14級を獲得し、裁判で約445万円の賠償金を得た事例
1000万円以上の実例
示談金が1000万円以上になるのは、重度後遺障害が認定されたケースや後遺障害12級で事故前の収入が比較的高いケースが多いです。
▶高次脳機能障害等の後遺症が残った女性が将来介護費を含めて約7180万円の賠償金を得た事例
▶圧迫骨折の後遺障害が残ったが保険会社から示談金0円と言われたため、裁判をして約2710万円を得た事例
▶親指の靱帯損傷の怪我を負った女性について、裁判で賠償金が約1450万円増額した事例
▶加害者が無保険であったが、裁判後に無保険車特約を使い損害の全額である約1620万円を得た事例
▶足の骨折後の痛みについて後遺症が残った女性が、裁判で約1230万円の賠償金を得た事例
交通事故の慰謝料・示談金額を見るときの注意点
他の人がもらった金額とは違う
他の人がもらった慰謝料・示談金をみたい方は、その実例と比較して自分がどれくらいもらえるか?自分が提示された示談金は妥当なのかを調べたい方が多いと思います。
ところが、一見自分と同じように見えても、実は全く事情が異なって、妥当な慰謝料・示談金額が異なるということが多々あります。
ですので、もし自分と似ていると考える事例を見つけても、その金額がもらえるかどうかは、自分と違うところがないかを弁護士に相談して初めてわかることが多いです。
計算機の金額と実際にもらった額は違う
ネットには様々な交通事故の慰謝料・示談金の事例が載っていますが、それ以外にも慰謝料計算機、示談金計算機というものもあると思います。
先ほどの事例の注意点以上に、これらの計算機の利用には注意が必要です。
実際の適正な賠償額とこれらの計算機を利用した結果出てくる金額には大きなズレが生じることが珍しくありません。
特に重傷事故で重度後遺障害が残るケースでは、計算機で出てくる金額は裁判で認められるであろう金額よりも、かなり高めの金額であることが多いです。
逆に、重度後遺障害によって将来の治療費・介護費用が必要になるケースでは、逆に裁判で認められる金額よりもかなり低い金額が出ることもあります。
また、後遺障害の種類によっては等級自体が大きく争われるケースもあり、この場合も計算機の金額を鵜呑みにすることはできません。
むちうちならいくら、骨折ならいくらとは一律に決まらない
他の人の事例をネットで探したり、知り合いから話を聞くなどして、自分も同じくらいもらえると期待される方もいます。
このとき、むちうちであの人は●万円もらったから、同じくむちうちになった自分も●万円くらいもらえるだろうと考える方もいます。
ところが、おなじむちうちであっても、事故と因果関係の認められる通院期間や、後遺障害14級が認定されるかどうか、収入がいくらか、被害者に過失があるかどうか、弁護士に依頼したかどうかで、示談金は大きく変わります。
この「大きく変わる」というのが、いってもせいぜい数倍・数十万の違いだと思われる方もいるかもしれませんが、実際には同じむち打ちでも示談金が10万円のこともあれば1000万円になることもあるのです。
そのため、「同じむちうちだからいくらくらいだろう」「骨折だからいくらくらいだろう」と予想してもあまり意味がないことになります。
追突事故ならいくら、右直事故ならいくらも一律に決まらない
次は怪我の種類ではなくて、事故状況の種類でどれくらい慰謝料をもらった人がいるかを調べる方もいるかと思います。
ところが、このように似たような事故状況の実例を調べても、その金額は全くあてになりません。
例えば、追突事故にあったけど、知り合いの追突事故に遭った人は●万円もらったから自分も同じくらいもらえるだろうと予想しても、その予想は間違っていることが多いです。
同じ追突事故であっても、示談金は10万円のこともあれば1000万円になることもあり得ます。これは10万円の人が泣き寝入りで不当に低い金額で示談したという意味ではなく、適正な示談金が10万円の場合もあれば1000万円の場合もあるということです。
では実例はどう使えば良いのか?
ここまで説明した注意点からすると、単に他の人の実例を見るだけでは、自分がいくら示談金・慰謝料をもらえるか、全くわからないことがおわかりいただけたかと思います。
単に事例を見るだけでは、自分がいくらもらえるかはわかりませんが、とはいっても参考にすることはできます。例えばこの事例だといくらくらいだけど、自分はこういうところが違うから示談金はいくらくらなんだということがわかれば、示談するときにも納得がいきやすいかと思います。
そういう意味で、他の事例を参考にすることは、適正な示談金を獲得するために有用といえるでしょう。
自分に似ている事例を見つけたら弁護士に相談を
自分に似ている事例を見つけたら、自分も弁護士に依頼すればそれくらいもらえるのかどうかを弁護士に相談するのがおすすめです。
特にネットに出ている事例は大半が弁護士に依頼した場合の示談金額なので、自分で交渉してもその金額にはならないことが通常です。
また、最初に説明したように、事例はあくまで参考にすぎず、ケースによっては大きく金額が変わるので、相談の時に、他の人の事例と自分はどれくらい事情が異なるのか、自分の場合にはいくらくらいになるのかを弁護士に確認した方が良いでしょう。