交通事故を弁護士に依頼したのに示談が進まない理由とその対処法

交通事故を弁護士に依頼したのになかなか示談が進まないと不安になる方もいるかと思います。

ここでは、なぜ示談が進まないのかという理由とその対処法について説明します。

示談が進まないよくある理由

まだ治療中である

原則として、治療中に示談をすることはできません。なぜかというと、治療が終了しないと慰謝料の金額や後遺障害の有無が確定しないため、相手に請求すべき金額も決まらないからです。

示談というのは、これで全て解決するという意味なので、治療中に示談してお金を受け取ってしまうと、その後の費用が請求できなくなってしまうのです。

後遺障害等級の認定に時間がかかっている

後遺障害が認定されるかどうか、後遺障害の等級が何級かによって、加害者に請求すべき金額は大きく変わります。そのため、後遺障害の認定が完了しない限り、示談することはできません。

この後遺障害等級認定は、弁護士がするわけでも保険会社がするわけでもありません。

損害保険料率算出機構の調査事務所という第三者機関が行うことになります。この後遺障害等級認定に時間がかかり、示談交渉が進まないというケースもあります。等級認定に時間がかかる理由はいくつかあるのですが、それについては別のページで解説します。

相場を大きく超える請求をしている

意図的であっても、勘違いであっても、法的に認められる相場の金額を大きく超える請求をしている場合は、示談が進みません。

この場合、保険会社としては不当請求として扱われる場合もありますし、そこまでいかなくても双方の想定する金額に大きく差があるため、歩み寄りによる解決が困難であるからです。

何か理由があって意図的に相場を超える金額を請求している場合は、直ぐに示談交渉を打ち切って裁判へ移行すればよいのですが、被害者や弁護士の勘違いで相場を大きく超えた請求をしている場合、示談交渉に無駄に時間がかかる上、どんなに時間をかけても示談がまとまらないことになります。

相手保険会社の対応が遅い

交通事故の示談交渉は、基本的にはキャッチボール形式で行われます。

弁護士と保険会社担当者がいきなり電話や面談で話し合って、直ぐにその場で示談金額が決まるということはほとんどありません。

基本的には、被害者側の弁護士が保険会社に一定の金額を書面で請求し、次はその書面を受け取った保険会社の担当者が内容を検討して、回答金額を書面で送るというような流れです。

このように、ボールを投げて、受け取った方が検討してまた投げ返すというキャッチボールのような形で交渉が進みます。

そのため、ボールを持った保険会社担当者の検討時間が遅いと、示談交渉がなかなか進まないことになります。

事故態様自体に争いがある

事故態様とは事故が発生した状況のことです。この事故態様に大きく争いがあると、過失割合で合意することが出来ないため示談交渉が進みません。

例えば、交差点進入時に事故が起きた際に、双方の当事者がじぶんの信号が青であると主張している場合などです。

このように、そもそも事故態様自体に争いがある場合は、示談交渉がなかなか進まないことが多く、最終的には裁判をせざるを得ないことも多いです。

過失割合の争いが大きい

事故態様自体には争いがない場合でも、過失割合が争いになることがあります。過失割合は、別冊判例タイムズという過失割合の基準が記載された本や過去の裁判例をベースに算定されますが、非典型的な事故の場合、これらの本や過去の裁判例から一律に過失割合を導き出せないのです。

そうすると、事故の当事者の双方が、じぶんに有利になるように過失割合を主張するため、示談がなかなかまとまらないということがあります。

重度の後遺症事案

重度の後遺症事案の場合、主に将来の損害について多数の争点が生じるため、示談交渉に時間がかかることが多いです。

また、重度後遺症事案では、請求金額が数千万円から数億円になることも珍しくないのですが、金額が上がれば上がるほど保険会社側も回答を出すのに慎重になるため、示談交渉に時間がかかることがあります。

依頼した弁護士の対応が遅い

これまで見てきたどの理由にも当てはまらない場合には、依頼した弁護士が理由で示談交渉が進んでいないということもあり得ます。

例えば、依頼した弁護士が多忙であるとか、やる気がない、交通事故に詳しくないなどの理由で、損害額の算定がされていなかったり、保険会社からの回答の検討に時間がかかっている場合です。

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示談が進まないときはどうすればよいか?

それでは示談がなかなか進まないときは、どうすれば良いのでしょうか?

やむを得ない理由の場合

何らかの理由で裁判はしたくない、そして示談交渉がすすまない理由がこれまで見てきたようなやむを得ない理由があるのであれば、ただ待つしかないこともあります。例えば、治療中や後遺障害審査中は待つしかありません。

また、被害者と保険会社双方の言い分にそれなりに理由がある場合には、示談金額を譲歩することによって示談交渉を進めることが出来る場合もあります。

示談交渉の打ち切りも視野に入れる

双方の言い分や金額が大きく相違しており、それが理由で示談交渉がなかなか進まない場合には、示談交渉を早めに打ち切るのも大切です。

示談交渉は相手あってのものなので、こちらがどんなに早期解決に向けて動いたとしても、相手の協力がなければ、示談を進めることは一切出来ません。

そのため、相手に期待して示談交渉をずるずると継続するよりは、早めに示談交渉を打ち切って、裁判や紛争処理センターでのADRなどに移行した方が、結果的には早く解決できるということも多いです。

弁護士が原因なら弁護士の変更も

示談交渉がなかなか進まない理由が、依頼した弁護士である場合には、弁護士を変更することで、示談交渉が進むということもあります。

ただ、これはあくまで示談交渉が進んでいない理由が、弁護士にあるときに限るので、なぜ示談交渉が進んでいないのかをセカンドオピニオンで別の弁護士に相談してから決めるようにしましょう。

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