弁護士費用特約が使えないケースとは?本当は使える?

弁護士特約が使えないケース

保険会社・保険代理店や相談した弁護士から弁護士特約を使えないと言われて、困っている方から相談を受けることがあります。

弁護士特約を使えないと言われるケースでは、本当に使えない場合もありますが、保険会社や保険代理店の担当者の勘違いの場合や、単に弁護士側の事情の場合もあります。そのため、実は弁護士特約を利用できたということもあります。

東京海上火災、損保ジャパン、三井住友海上、ソニー損保、アクサダイレクト、SBI損保、イーデザイン損保、三井ダイレクト、あいおいニッセイ、チューリッヒ、JA共済など様々な保険会社・共済の弁護士費用特約がありますが、弁護士費用特約が使えないと言われるケースは微妙に異なっています。

この記事では、弁護士特約が使えないケースについて詳しく解説します。

弁護士特約が本当に使えないケース

以下のケースでは、基本的にどの保険会社・共済の弁護士特約も使えません。

人身傷害保険・車両保険に関する不満や請求について

弁護士特約は、「事故の相手」に対して損害賠償請求するために弁護士に相談・依頼する時に使える保険です。

そのため、「自分の保険会社」へ請求する人身傷害保険や車両保険に関する不満についての相談・依頼には弁護士特約は使えません。

事故相手からの不当な請求の対応

弁護士特約は、「自分が相手に対して」損害賠償請求をするために、弁護士に相談・依頼する時に使える保険です。

事故の相手から、不当な請求をされているので弁護士に相談・依頼したいというときには、弁護士特約は利用できません。

ただし、この場合は、弁護士特約ではなく、対人や対物などメインの契約で弁護士に相談・依頼できる可能性があるので保険会社へ相談しましょう。

無免許運転で事故を起こした場合

無免許運転で事故を起こした場合は、弁護士特約が利用できません。

例えば、父親の車を息子が無免許で運転して交通事故にあったようなケースです。この場合は、父親が加入している自動車保険に弁護士費用特約が付帯していたとしても利用することはできません。

無免許運転であっても、事故の被害者側になることは珍しくなく、過失割合も必ずしも無免許運転をしていた方が全て悪くなるわけではありません。そうすると、無免許運転で事故にあった場合にも、加害者に慰謝料等の損害賠償を請求するために、弁護士に依頼することもあります。ところが、この場合、弁護士特約は使えないのです。

なお、無免許運転ではなく、単に免許不携帯中の事故であれば、弁護士特約は利用できます。

酒気帯び運転(飲酒運転)中に事故を起こした場合

酒気帯び運転中に事故にあった場合には、弁護士特約が利用できません。

無免許運転と同様に、酒気帯び運転であっても事故の被害者になることはあり得ます。例えば酒気帯び運転中に追突事故にあうケースです。このような場合であっても、酒気帯び運転をしていたら弁護士特約は利用できません。

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保険会社や契約次第で弁護士特約が使えないケース

業務車両乗車中(業務中)の事故

勤務先の車に乗っているときに起こった事故では、弁護士特約の保険会社によって、特約が使える場合と使えない場合があります。

例えば、東京海上日動火災保険、イーデザイン損保、損保ジャパン等は利用できる契約があるようです。

逆に、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイなどは使えないようです。ただし、勤務先が加入している保険に弁護士特約がついており、その特約が使える場合もあるので勤務先へ確認しましょう。

なお、同じ保険会社でも保険契約の種類や約款の適用年によって、弁護士特約が使えるかは変わるので、必ず該当する約款を確認するか、保険会社や弁護士に相談するなどしましょう。

自転車が加害者の事故

自転車が加害者の事故では、通常の自動車事故限定型の弁護士特約は利用できないことがほとんどです。

しかしながら、自転車事故型日常事故型の弁護士特約に加入していることも多く、この場合は、自転車が加害者の事故であっても弁護士特約が利用できることになります。

必ず、自分が入っている弁護士特約の種類を確認するようにしましょう。

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保険会社や代理店で弁護士特約を使えないと言われたら

保険会社や代理店の担当者に弁護士特約が使えないと言われたとしても、実は担当者の勘違いで、実際には使える場合があります。

勘違い1:保険契約の種類によっては使えるケース

一番多いのは、保険会社や特約の種類によって使えるかどうかが変わるケースです。

例えば、代理店の担当者に、業務中の事故なので特約は使えないと最初は言われたが、実は加入している保険では利用できたケースがあります。自転車事故についても、実は日常事故の特約に入っていたことが後から判明し、実際には利用できたこともあります。

勘違い2:相手ともめてなくても問題なく使える

また、特に相手ともめていない状態では弁護士特約が利用できないと言われたケースもありましたが、これは完全に間違いで、相手ともめていなくても弁護士特約は利用することができます。

なお、保険会社が定めている報酬基準(LAC基準など)とは違った報酬体系の弁護士に相談しようとすると、保険会社の担当者から弁護士特約の利用を嫌がられるケースがあります。

これについては、次の2つの記事で解説しています。

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相談した弁護士に弁護士特約を使えないと言われたら

最後に、相談した弁護士から、この保険会社の弁護士特約を使っての依頼は受けられないと言われるケースです。

SBI損保・ソニー損保などの場合

弁護士から弁護士特約利用での依頼を断られることが多い保険会社としては、SBI損保、ソニー損保などがあります。弁護士費用の支払いの根拠となる経済的利益の金額で折り合いがつかないことが多かったり、他の保険会社より支払い基準が低かったりするためだと考えられます。

タイムチャージが使えない場合(SBI・アクサ・イーデザイン・東京海上など)

また、物損のみ依頼する場合や少額の訴訟を依頼する場合には、タイムチャージが使えない弁護士特約では、依頼を受けられないと言われることもあります。タイムチャージが使えない弁護士特約の保険会社としては、アクサ損保アクサダイレクト)、SBI損保イーデザイン損保東京海上日動火災保険などがあります。ただし、イーデザイン損保と東京海上日動火災保険には最低報酬金設定があるので、アクサ、SBIに比較すれば断れれるケースは少ないかと思います。

対処方法について

上記の保険会社の弁護士特約でも利用を受け付けてくれる弁護士であれば、問題なく弁護士特約が利用できます。そのため、相談予約のときや、実際に相談しているときに弁護士に確認するようにしましょう。

また、この場合の「弁護士特約を使って依頼できない」というのは、その弁護士が直接保険会社に弁護士費用を請求する方法が使えないという意味です。自分の負担で弁護士費用を支払った後に、被害者自身が保険会社に対して、負担した弁護士費用の全部または一部を請求すること自体はできる可能性はあります。

もっとも、保険会社によっては約款または内規上、保険会社の承認を得て弁護士に依頼した場合に弁護士費用特約が利用できると規定しているケースがあります。この場合、弁護士特約の利用自体についても保険会社ともめる可能性があります。さらに、仮に利用することができた場合でも、実際に支払った弁護士費用の一部しか認められない可能性が高いです。

このようなリスクを避けるためには、最初から弁護士特約を利用して依頼できる弁護士を探す方が良いでしょう。

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