弁護士費用特約なしでも交通事故を弁護士に依頼した方がいいのか?
最終更新日 2022年3月11日投稿日 2022年3月11日 執筆者弁護士 豊田 友矢
「交通事故にあってしまったけど弁護士費用特約には入っていなかった」
という方も多いです。
特に、自動車を持っておらず、歩行中や自転車運転中に事故にあった方は、弁護士費用特約が利用できないことが多いです。
ここでは、弁護士費用特約なしでも、弁護士に依頼した方が良いのかについて詳しく解説します。
目次
弁護士費用特約なしだと弁護士費用は自己負担になる
当然ですが、弁護士にタダで依頼することはできません。そのため、弁護士費用特約がない場合には、弁護士費用が自己負担となります。
たまに、弁護士費用を加害者に支払ってもらえないのかという質問をいただくことがありますが、これはできません。
裁判をすれば、弁護士費用という項目として、賠償金に上乗せすることはできますが、それでも、実際に支払う弁護士費用全額ではありません。
この点は、以下の記事をご参照ください。
弁護士費用特約がないときに心配な2つのこと
そうすると、弁護士費用特約がないときに、特に心配なのは次の2つです。
- 弁護士費用を用意しないといけないのか?
- 費用倒れにならないかどうか?
1つ目は、弁護士費用を用意しないといけないのではという心配があります。そもそも弁護士に依頼するといくらかかるのかがわからない・・・。多額の費用を請求されるのではないか・・・。手持ちの余裕資金がないので費用を用意できないのでは・・・。という不安です。
2つ目は、弁護士に依頼して示談金を増額できても、弁護士費用を払ったら費用倒れになってしまうのではないかという不安です。
この2つの心配について、実際はどうなるのか詳しく見ていきます・
成功報酬制なら弁護士費用を用意する必要はない
弁護士費用特約を利用しないときの交通事故の弁護士費用は、法律事務所によって様々です。
最近は、着手金無料の完全成功報酬制の弁護士・法律事務所が増えています。
このような、着手金無料の完全成功報酬制で弁護士に依頼することができれば、被害者が弁護士費用を用意する(自分の財布からだす)必要はありません。なぜなら、弁護士費用は、最後に示談金や賠償金を相手からもらったときに、そこから引く形で払えば良いからです。
そのため、弁護士費用特約がない場合は、着手金無料の完全成功報酬制の弁護士や法律事務所を探すのがおすすめです。
弁護士特約なしで依頼すると費用倒れにならないのか?
それでは、弁護士費用を示談金から引いてしまったら、手元に残る金額が弁護士に依頼しない場合より少なくなってしまわないのでしょうか。
これは、費用倒れにならないかという問題です。
たしかに、弁護士費用特約なしで弁護士に依頼した場合、費用倒れになるケースもあります。しかしながら、弁護士が示談交渉や裁判をすると示談金を増額することができることがほとんどなので、実際には費用倒れにならないケースはかなり多いです。
ここで一番問題なのは、費用倒れになるかの判断が、交通事故に詳しい弁護士でないと判断が難しいこともあるということです。
そのため、弁護士費用特約がない場合には、そもそも弁護士に依頼したほうが良いのかどうかを弁護士に相談して決めるというのが重要なポイントになります。
この点については、次の記事を参考にして下さい。
弁護士特約なしでも弁護士に依頼すべきケースは多い
これまで見てきたように、弁護士費用特約がなくても、弁護士が増額した示談金の中から成功報酬を払うことによって、金銭面でのデメリットを感じることなく弁護士に依頼することができます。
こうして、弁護士特約がなくとも、単に示談交渉を任せられるというだけでなく、弁護士に依頼した結果、金銭面でも得をするメリットを得ることができます。
ただし、繰り返しになりますが、弁護士費用特約なしの場合は、全ての被害者が弁護士に依頼したほうが良いというわけではありません。費用倒れにならないかどうかを事前に予測できる交通事故に詳しい弁護士に相談してからであれば安心して依頼することができます。