交通事故相談のシミュレーション|弁護士に聞くこと・伝えること
弁護士への初めての相談は勇気がいるかと思います。事前に相談がどのようなものかイメージしやすいように、相談予約から実際に相談するときのシミュレーションをご連絡ください。
交通事故相談のシミュレーション
相:相談者
弁:弁護士
1:相談予約の電話
相:「交通事故の相談をしたいのですが・・・」
弁:「ご連絡ありがとうございます。お客様のお名前をお伺い出来ますでしょうか?
相:「田中太郎です。」
2:相談前の簡単な聴き取り
弁:「事故の日はいつですか?」
相:「2021年の3月1日です。」
弁:「事故の相手は、自動車・バイク・自転車・歩行者のどれですか?
相:「相手は車です。」
弁:「お客様は、自動車・バイク・自転車・歩行者のどれですか?」
相:「私は自転車に乗っていました。」
弁:「事故はどのようにして起こりましたか?」
相:「わたしが横断歩道を自転車で・・・」
弁:「お怪我はどのような内容ですか」
相:「右腕を骨折しました」
弁:「現在治療中ですか?」
相:「まだ治療中です。リハビリをしています。」
弁:「保険会社から過失割合の提示はありましたか」
相:「9:1と言われました。」
弁:「弁護士費用特約はありますか」
相:「家族の入っている車の保険の特約が使えるそうです。」
3:相談予約
弁:「相談は電話での簡単な相談と事務所での詳細な相談ができますがどちらがよいですか?」
相:「事務所での相談が良いです。」
弁:「相談日時のご希望はございますか?」
相:「早いほうが良いので、明日の午後5時は空いてますか?」
弁:「確認いたします。ちょうど午後5時は空いていますので、予約をお取りします。明日は保険会社から届いている書類など事故に関係ありそうなものがあれば全てご持参下さい。」
相:「では明日五時によろしくお願いします。」
4:事務所での面談による相談
弁護士による詳細な聴き取り
事務所にて、お客様の状況に合わせて必要な事項を詳しくお伺いします。
例えば、事故状況について・・・
弁:「次に事故現場をGoogleで確認しますね。(Googleマップを見ながら)この辺りでしょうか?」
相:「そうです」
弁:「相手の車はどこから来ましたか?」
相:「こっちです」
弁:「どの辺りでぶつかったか覚えてまいすか」
相:「この辺だと思います。」
例えば、怪我について・・・
弁:「診断書はありますか・」
相:「警察に出してしまったのでないです」
弁:「診断名を覚えていますか?」
相:「正確な診断名は覚えていません」
弁:「大丈夫です。腕の骨折と聞きましたが、具体的にはどの部分ですか?」
相:「(指で指しながら)この部分です」
弁:「尺骨の近位端ですね、今しているリハビリはどのような内容のものですか?」
相:「腕が曲がりにくくなったのでそのリハビリです」
弁:「どれくらい曲がりにくいかわかりますか・」
相:「(実際に曲げてみて)これくらいです。」
弁護士による見通しの説明
弁:「今回の事故ですと、過去の裁判例からして、過失割合は●対●が通常だと考えられます。」
弁:「後遺障害は、12級が認定される可能性があります。ただし●●の場合は14級でしょう。」
弁:「慰謝料は、●●円くらいが裁判での相場です。弁護士に依頼すれば示談交渉でも●●円くらいは見込めるでしょう」
弁:「弁護士に依頼しないと●●円くらいになってしまうでしょう」
弁護士費用の説明
弁:「今回は弁護士費用特約の範囲内で賄えるので、弁護士費用の負担が生じることはありません。」
相談者の質問タイム
相:「●●と●●は何が違うのですか?」
相:「費用倒れになることはありませんか?」
など・・・こんなこともと思わずに何でも聞いて下さい。全ての質問にお答えします。
シミュレーション5 相談で終了か依頼かを決める
直ぐに依頼する場合
相:「直ぐに依頼したいです」
弁:「ありがとうございます。それでは委任契約書と委任状を作成しますのでお待ち下さい。・・・まず委任契約書の内容について詳しく説明しますね」
検討する場合
相:「いちどよく考えてから依頼するかどうか決めたいです。」
弁:「承知いたしました。ご依頼をご希望の場合は、再度ご連絡下さい。」
相談のみで終了する場合
相:「今回は費用倒れの可能性があるので、弁護士に依頼しない方がよさそうです。」
弁:「そうですね。私もそう思います。それでは相談のみで終了となります。」
弁護士に相談する際に聞くべきこと・伝えるべきこととは?
交通事故を弁護士に相談する際に、お客様から、弁護士に聞いておくべきことと、弁護士に伝えておくべきことについて解説します
弁護士に聞くべき事
弁護士費用を聞く
交通事故の弁護士費用は、どの弁護士に依頼しても同じというわけではありません。ですので、ホームページ等に明確に弁護士費用が記載されていない場合には、依頼する弁護士に弁護士費用についてわからない点を全て聞いておきましょう。
弁護士費用特約を利用する場合であっても、一部の法律事務所では、弁護士費用特約における基準よりも高額な弁護士費用を設定している場合もあります。その場合には、お客様の持ち出しが生じるおそれがあるため、事前に弁護士費用特約の基準と異なるところがないかどうか、差額が生じる可能性について聞いておきましょう。
また、交通事故を弁護士に依頼して費用倒れにならないケースかどうかもしっかり確認しておきましょう。
後遺障害について聞く
後遺障害が認定されるかどうかによって、示談金・賠償金の額は数倍から数十倍変わります。等級認定前に弁護士に依頼する場合には、怪我の内容・程度、症状の内容・程度、治療経過等を弁護士に伝えた上で、後遺障害認定の見通しについて聞いておきましょう。
その上で、どのようにすれば適正な認定が受けられるかどうかを聞いてアドバイスをもらいましょう。
過失割合について聞く
過失割合も、示談金・賠償金の額に大きく影響します。
また、過失割合の見通しによっては、弁護士基準の額が自賠責基準の額を下回ることがあるため、弁護士に依頼する必要があるかどうかを決める手がかりとなります。
損害額の見通しについて聞く
損害額の大きさによって、弁護士に依頼するかどうかを決める方もいると思いますので、損害額がどれくらいになるかの見通しも聞いておくと良いでしょう。
解決までの流れについて聞く
弁護士に依頼してから、どのような流れで解決するかを聞いておくと、弁護士に依頼した後に不安にならずに済みます。
今はどの段階なのかというのがわかっていれば、解決に向けて進んでいるのかどうかがわかります。
弁護士に伝えるべきこと
弁護士費用特約の利用の有無を伝える
弁護士費用特約を利用することを弁護士に伝えなければ、弁護士費用を一旦自分で負担する必要が出てきます。
事前に弁護士に伝えておけば、あなたが弁護士費用を負担することなく、弁護士が直接保険会社に弁護士費用を請求することができます。
持ち出しで支払っている費用とその金額を伝える
事故のせいで依頼者が支出した費用がある場合に、それを弁護士に伝えていなければ、弁護士は相手に請求をすることはできません。
既に保険会社から受け取っている治療費や休業損害については、弁護士が保険会社から資料を取り寄せることで判明しますが、依頼者が保険会社や弁護士に伝えていない費用については、あなたが直接弁護士に伝えないと請求漏れになってしまいます。
早期解決を重視するか金額を重視するかを伝える
弁護士が交通事故の示談交渉をする際のやり方や戦略は様々ですが、基本的には依頼者の意向・希望を重視して交渉を行います。
そのため、早期解決を重視するのか、時間はかかっても1円でも多額の示談金を目指すのかなどの希望を弁護士に伝えておけば、交渉中に弁護士との意思の疎通が図りやすいです。
最悪、裁判まで考えているかどうかを伝える
裁判には依頼者にも労力がかかるため、弁護士としては、依頼者が裁判まで考えているかどうかは知っておきたいところです。また、裁判にはリスクもあります。
裁判を前提とした示談交渉と、早期解決を目的とした示談交渉では、やや戦略が変わってくることもありますので、裁判まで考えているかどうかも弁護士に伝えておくと、弁護士が交渉をしやすいということはあります。