LAC基準(ラック基準)とは?弁護士費用特約利用の注意点
最終更新日:2024年11月21日/投稿日:2022年2月15日/執筆者弁護士豊田 友矢
交通事故にあった際に、弁護士特約を利用できるか保険会社に確認の電話をした時に、次のようなことを言われることが増えているようです。
「依頼する弁護士にLAC(ラック)基準で受けてもらえるか確認して下さい。」
「LAC基準で受けてくれない弁護士には依頼できません。」
「LAC基準以外で弁護士に依頼した場合には、お客様の負担が生じます。」
この記事ではLAC基準の具体的な中身と弁護士特約利用の注意点について解説します。
目次
LAC(ラック)基準とは?
LAC(リーガル・アクセス・センター(Legal Access Center)の略)基準とは、日弁連と協定を結んだ保険会社が決めた、弁護士特約を利用した際の弁護士費用の算定基準です。ラック基準と読みます。
日弁連と協定を結んだ保険会社は、約款でLAC基準とほとんど同一の規程を設けているので、弁護士特約を利用する際にLAC基準でしか弁護士費用を支払いません。
2024年10月1日現在、日弁連と協定を結んでいる保険会社・共済協同組合は以下のとおりです。(50音順)
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
AIG損害保険株式会社
au損害保険株式会社
キャピタル損害保険株式会社
共栄火災海上保険株式会社
ジェイコム少額短期保険株式会社
全国共済農業協同組合連合会(JA共済連)
全国自動車共済協同組合連合会
全国トラック交通共済協同組合連合会
全国労働者共済生活協同組合連合会(こくみん共済 coop〈全労済〉)
ソニー損害保険株式会社
損害保険ジャパン株式会社
SOMPOダイレクト損害保険株式会社
大同火災海上保険株式会社
Chubb損害保険株式会社(チャブ保険)
中小企業福祉共済協同組合連合会
チューリッヒ保険会社
ミカタ少額短期保険株式会社
三井住友海上火災保険株式会社
三井ダイレクト損害保険株式会社
明治安田損害保険株式会社
楽天損害保険株式会社
参考:日弁連公式サイト「弁護士費用保険(権利保護保険)について」
LAC基準で受けてくれない弁護士には依頼できない?
どの弁護士を選ぶかはお客様自身が決めることなので、LAC基準をつかわずに、独自の弁護士報酬でしか受けてくれない弁護士にも依頼をすることはできます。
保険会社はまれに、「LAC基準でない弁護士には依頼できません。」と言うことがありますが、これは間違いです。
なぜ、このようなことを保険会社が言うのかというと、大抵ラック基準よりも独自の報酬基準の方が弁護士費用が高いからです。そうすると、後日弁護士費用を請求した際に、弁護士と保険会社の間でトラブルになってしまうからです。
そして、約款でラック(LAC)基準と同様の条項を定めている保険会社は、弁護士に対して、ラック(LAC)基準以上の弁護士費用を支払わないので、弁護士から依頼者に差額分を請求されることになってしまいます。
そうすると、今度は依頼者と弁特の保険会社のとの間のトラブルに発展することもあり、保険会社が嫌がるというのも理由です。
ですから、ラック(LAC)基準と独自の弁護士基準の差額を支払うことに了承していれば、ラック(LAC)基準を使わない弁護士に依頼することは何ら問題がないのです。
LAC基準を使う弁護士に依頼した方が良い理由
上で説明したように、ラック(LAC)基準を使わない弁護士に依頼することもできます。
そうはいっても、保険会社の約款にラック(LAC)基準と同様の規定がある場合に、独自の報酬基準で弁護士に依頼してしまうと、せっかく弁護士費用特約を利用しているのに、弁護士費用を一部負担しなければなってしまいます。
自分がどうしても頼みたい弁護士がラック(LAC)基準を使わないなどの特別の事情がない限り、最初からラック基準で契約してくれる弁護士に相談した方が良いでしょう。
ラック(LAC)基準を使う弁護士に依頼すれば、弁護士費用が300万円を超えない限りは、費用を一切負担する必要がなくなります。
なお、ラック(LAC)基準をとは別の基準を約款に定めている保険会社については、ラック(LAC)基準で弁護士に依頼する必要はないですが、その約款の基準より高い基準で依頼すると、同じく差額を負担する必要が生じてしまします。
弁護士特約を利用するなら当事務所へご相談を
当事務所は、原則として、弁護士費用特約をご利用されるお客様については、ラック(LAC)基準または保険会社の約款に従った基準で弁護士費用を定めております。
ですので、弁護士費用が300万円を超えない通常の案件の場合には、お客様の負担は一切生じませんのでご安心下さい。
具体的なLAC基準について
法律相談料
1時間まで1万円、以降超過15分までごとに2,500円
出張相談は、相談1時間以内なら3万円、以降15分までごとに2,500円※日当方式によることもできる
着手金
経済的利益の額 | 着手金の額(税別) |
125万円以下 | 10万円 |
125万円を超え300万円以下 | 8% |
300万円を超え~3000万円以下 | 5%+9万円 |
3000万円を超える~3億円以下 | 3%+69万円 |
3億円を超える | 2%+369万円 |
事件の難易度によっては上記の額から30%の範囲で増額可能
交渉からADRや訴訟に移行する場合には、上記の表で計算した額の4分の1の額が追加着手金となる。
報酬金
経済的利益の額 | 報酬金の額(税別) |
125万円以下 | 16%または20万円※ |
125万円を超え300万円以下 | 16% |
300万円を超え~3000万円以下 | 10%+18万円 |
3000万円を超える~3億円以下 | 6%+138万円 |
3億円を超える | 4%+738万円 |
事件の難易度によっては上記の額から30%の範囲で増額可能
経済的利益125万円以下の報酬金は、事故発生日が2025年1月1日以降の場合は、最低金額20万円となる予定
時間制報酬(タイムチャージ)
1時間当たり2万円
1事件あたり30時間が一応の上限、これ以上の場合は協議による
手数料
事案簡明な自賠責保険の請求は自賠責保険により支払いが予定される金額が150万円以下の場合は3万円、150万円を超える場合はその額の2%