ラック(LAC)とは何か?弁護士費用特約利用の注意点
最終更新日:2022年8月8日/投稿日:2022年2月15日/執筆者弁護士豊田 友矢
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弁護士費用特約を利用できるか保険会社に聞くと・・・・
交通事故にあった際に、弁護士特約を利用できるか保険会社に確認の電話をした時に、次のようなことを言われることが増えているようです。
「依頼する弁護士にラック(LAC)基準で受けてもらえるか確認して下さい。」
「ラック基準ではない弁護士には依頼できません。」
「ラック基準ではない弁護士に依頼した場合には、お客様の負担が生じます。」
場合によっては、「ラック(LAC)基準」ではなく、「旧日弁連基準(きゅうにちべんれんきじゅん)」と言われることもあるようですが、保険会社の言いたいはどちらも同じです。
ラック(LAC)基準を使わない弁護士には依頼できないのか?
お客様がどの弁護士を選ぶかはお客様自身が決めることなので、ラック(LAC)基準をつかわずに、独自の弁護士報酬でしか受けてくれない弁護士にも依頼をすることはできます。
保険会社はまれに、「ラック基準でない弁護士には依頼できません。」と言うことがありますが、これは間違いです。
なぜこのようなことを保険会社が言うのかというと、大抵ラック基準よりも独自の報酬基準の方が弁護士費用が高いからです。そうすると、後日弁護士費用を請求した際に、弁護士と保険会社の間でトラブルになってしまうからです。
そして、約款でラック(LAC)基準と同様の条項を定めている保険会社は、弁護士に対して、ラック(LAC)基準以上の弁護士費用を支払わないので、弁護士から依頼者に差額分を請求されることになってしまいます。
そうすると、今度は依頼者と弁特の保険会社のとの間のトラブルに発展することもあり、保険会社が嫌がるというのも理由です。
ですから、ラック(LAC)基準と独自の弁護士基準の差額を支払うことに了承していれば、ラック(LAC)基準を使わない弁護士に依頼することは何ら問題がないのです。
ラック(LAC)基準を使う弁護士に依頼した方が良い理由
上で説明したように、ラック(LAC)基準を使わない弁護士に依頼することもできます。
そうはいっても、保険会社の約款にラック(LAC)基準と同様の規定がある場合に、独自の報酬基準で弁護士に依頼してしまうと、せっかく弁護士費用特約を利用しているのに、弁護士費用を一部負担しなければなってしまいます。
自分がどうしても頼みたい弁護士がラック(LAC)基準を使わないなどの特別の事情がない限り、最初からラック基準で契約してくれる弁護士に相談した方が良いでしょう。
ラック(LAC)基準を使う弁護士に依頼すれば、弁護士費用が300万円を超えない限りは、費用を一切負担する必要がなくなります。
なお、ラック(LAC)基準をとは別の基準を約款に定めている保険会社については、ラック(LAC)基準で弁護士に依頼する必要はないですが、その約款の基準より高い基準で依頼すると、同じく差額を負担する必要が生じてしまします。
弁護士費用特約を利用するなら当事務所へご相談を
当事務所は、弁護士費用特約をご利用されるお客様については、ラック(LAC)基準または保険会社の約款に従った基準で弁護士費用を定めております。
ですので、弁護士費用が300万円を超えない通常の案件の場合には、お客様の負担は一切生じませんのでご安心下さい。