交通事故後に病院に行く流れと支払い｜救急搬送or救急車を呼ばない場合

最終更新日：2024年11月7日／投稿日：2020年12月15日／執筆者弁護士豊田 友矢

交通事故に遭い怪我をしてしまったときは、病院で治療を受けることになります。

ところが、交通事故で通院する場合には、救急搬送されたのか、救急車を呼ばないで自分で病院へ行くのか、自分で行く場合にはどこの病院に行くか、いつ通院するか、治療費の支払いはどうするかなど多くの注意すべき点があります。

この記事では、はじめて交通事故で怪我をしてしまった方が、通院する際に特に注意すべき点について解説します。

事故後に病院へ救急搬送された場合

交通事故後、救急車を呼んだ場合には、救急搬送先が最初の病院になります。

事故現場で救急車を呼ぶ

救急車は、事故の被害者が怪我をして動けない場合などは、事故の相手方や目撃者、通りかかった人が呼んでくれることも多いです。

病院は原則として、受け入れ可能な事故現場から近い救急病院へ搬送されます。

軽症なら当日帰宅｜預り金が必要になる

救急搬送されても、軽症で入院や手術の必要がない場合には、診察後にすぐに帰宅することになります。

窓口で、預り金として一定の金額を払うように言われることも多く、この場合は、現金で支払います。

ここで支払った分は、治療費に充当して、後で加害者の保険会社に請求するか、保険会社が病院に治療費を払う旨連絡した後であれば、病院から全額返してもらうこともできます。

救急搬送先の病院から転院することが多い

救急車で搬送された病院は、自宅から遠かったり、自宅から近くとも外来のリハビリをあまり行なってくれなかったり、リハビリができても待ち時間が長いこともあります。

そのため、重傷の場合を除いては、多くの場合、救急搬送された病院へ通院するのは最初だけで、その後は自宅近くの病院で、診察を受けたり、リハビリを行なうことが多いです。

このとき、救急搬送先の病院で紹介状を書いてもらい、自分で病院を見つけて通院することになります。

保険会社へは、新たに通院することになった病院名を伝えて、病院と連絡を取ってもらい治療費を直接支払ってもらうようにすることが通常です。

事故後に救急車を呼ばないが怪我はした場合

まずどこの病院に行くべきか？

救急車を呼ばなかった場合には自分で病院を見つけます。軽傷の場合は、むちうち、捻挫や打撲などの場合が多いでしょうから、整形外科を探していくことになります。

事故現場の近くで病院を見つけるか、症状が軽い場合には、自宅へ帰った後に、自宅近くの病院へ通院する方もいます。

ただし、自宅に帰ってから病院が開いていない場合などは、最初だけでも事故現場近くの病院に行っておいた方が良いでしょう。

事故後、直ぐに病院に行かないと治療費が払われないことも・・・

事故にあって、捻挫・打撲や打撲などの軽傷の場合、仕事が忙しい、病院に行くのが面倒などの理由で、直ぐに通院されない被害者の方もいらっしゃいます。

もちろん、そのまま症状が直ぐに治り、結果的に病院に行く必要がなかったということになれば、何も問題は起こりません。

ところが、最初は大丈夫だと思ったけど、なかなか良くならないから通院をしたい、仕事が休めるようになったから通院したいという場合もでてきます。

こんなとき、事故から時間が経ってしまっていると、事故と怪我の因果関係が問題になってしまい、治療費を加害者の保険会社から払ってもらえないことが多いです。

ですので、少しでも捻挫や打撲の症状があった場合には、事故当日か事故翌日までには通院するようにしましょう。事故が土日で病院が開いていない場合などはやむを得ないですが、それでも週明けには通院をするようにしましょう。

相手の保険会社と連絡が取れないから通院できない？

病院へ通う時点では、加害者の保険会社と連絡が取れないこともあります。そんなときに、保険会社が治療費を払ってくれるかわかるまでは通院をしないというのは危険です。

とにかく、まずは体が第一なので、保険会社と連絡が取れなくても、一度医師に診てもらいましょう。

また、保険会社と連絡が取れないからといって、事故日から初診までの間が空いてしまうと、先ほど説明したとおり、治療費を払ってもらえないこともあります。

相手の保険会社と連絡が取れなくても、とりあえず先に１回だけは病院へ通っておきましょう。

事故で通院する際に病院に伝えなければならないこと

通院する際には、病院で、交通事故による治療であることを必ず伝えてください。

また、健康保険を利用する場合には、必ずそのことを伝えてください。

事故で通院する場合には、こちらから健康保険の利用を伝えない限り、原則として自由診療となってしまいます。

交通事故の治療に健康保険を使えるのか？どういう場合に使った方が良いのかについては、こちらの記事で解説しています。

▶「交通事故治療に健康保険が使えない」は嘘？使うデメリットとメリット

病院の支払いはどうすればよいのか？立て替えるのか？

最初の治療費をどうするかは、病院によって対応が違います。

保険会社が病院とやりとりをしていない時点では、とりあえず治療費を自己負担で立て替えて支払い、あとから病院の窓口で返金してもらうということも多いです。

また、窓口返金ではなく、保険会社に領収書を出して、保険会社から負担した治療費分を払ってもらうこともあります。

いずれにしても、治療費を自己負担した場合には、必ず領収書をなくさないように保管しておきましょう。

保険会社と連絡が取れて、治療費の支払に了承した後は、保険会社が直接病院に治療費を払うことが多いです。これを一括対応といいます。

この場合は、治療費を負担することはなく治療を受けることが出来ます。

ただし、病院によっては、この一括対応に応じない病院もあります。

その場合は、病院へは自己負担でいったん支払った後に、治療費の領収書と明細書を保険会社に提出して、都度保険会社から負担した治療費分を払ってもらいます。

通常は1か月毎にまとめて領収書等を保険会社に送って、払ってもらいます。

通院方法や治療費の支払いについて不安があったら弁護士に相談を

交通事故の怪我で治療する場合には、保険会社が絡んでくるため、通常の怪我や病気で通院する場合と違い、注意しないといけない点がたくさんあります。

そのため、事故で怪我をした場合には、できるだけ早めに弁護士に相談をしていただくのがよいでしょう。