事故の過失割合はいつ決まる?もめたらどれくらいで決まる?

過失割合はいつ決まる?

交通事故の被害者が自分で保険会社と示談交渉をすると、多くの場合、相手保険会社が過失割合を決めて提示してきます。

このとき、自分が考えている過失割合と全然違うものが提示されて納得がいかない、あるいは、保険会社の提示が妥当なのかどうか判断できないと考える方は少なくありません。

そのため、保険会社の提示した過失割合に応じないで時間だけが経ってしまうことも珍しくありません。

この記事では、最終的にいつ過失割合が決まるのか、相手ともめた場合には過失割合が決まるまでどれくらい時間がかかるのかについて解説します。

過失割合はいつ決まるのか?

示談交渉中に相手の保険会社と合意をしたとき

事故相手が任意保険に加入している場合には、相手の保険会社と過失割合について話し合いを行なうのが通常です。

自分も保険を使う場合には、自分の加入する保険会社と相手の保険会社との間でやりとりがされることも多いです。

そして人損事故の場合でも、まずは物損の示談交渉を先行するのが通常です。なぜかというと、慰謝料などの人損については治療が終了してからでないと損害が確定しないからです。物損の示談交渉時にまず過失割合の合意ができれば、一応の過失割合が決まることになります。

「一応」というのは、最終的に人損の示談が成立するまでは、物損の示談時とは別の過失割合を主張することも、法的には可能だからです。

この物損の示談交渉は、よくある事故状況で、お互い特別な事情を主張しなければ、過失割合はすぐに決まることも多いです。「すぐに」というのは、修理費や時価額などの損害額が決まってから数日~1週間程度です。

もめてしまい合意できなければ裁判で決める

非典型的な事故状況の場合、ウインカーなしや、速度違反など特別の事情を主張した場合には、過失割合がなかなか決まらないことも珍しくありません。

過失割合はゴネ得なのか?事故相手が納得しないときどうする?

最終的に合意ができなければ、当事者同士では過失割合をきめることはできません。

この場合、裁判をして、裁判官に過失割合を決めてもらうほかありません。

人損事故の場合は、物損の過失割合で揉めた場合でも、治療が終了し、後遺症の有無も確定してから、人損と物損をまとめて裁判にすることが通常です。

物損だけ先に裁判をしても二度手間になるからです。

この場合、治療中もずっと過失割合は決まりませんし、交通事故の裁判は裁判を始めてから1年程度はかかります。そのため、事故日から数年間過失割合が決まらないなんてこともあります。

示談交渉や裁判で過失割合を決定する際の基準

過失割合は、基本的に、過去の裁判例において、実際の事故と類似した事案で、どのような判断がなされているのかをみて、決めていくことになります。

そして、法律実務では、判例タイムズ社が出版する別冊判例タイムズ38号『民事交通訴訟における過失相殺等の認定基準』という書籍を参考にして判断されるのが一般的です。この本では、交通事故の態様ごとに、基本となる過失割合や基本の割合を修正すべき要素が示されています。

もっとも、この本にない態様の交通事故もあります。そのような場合には、類似した事故がないか、過去の裁判例を検索する必要があります。

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いつまでも過失割合が決まらない場合は

保険会社が提示した過失割合に納得がいかず、いつまでも過失割合が決まらない場合には、自分で証拠を集めたうえで適切な主張を行い、保険会社を説得しなければなりません。それでも合意に至らない場合には、訴訟の中で、自分の主張を裏付ける主張・立証を行う必要があります。

以下、事故態様に争いがある場合と、事故態様には争いがない場合に分けて、具体的に説明します。

事故態様に争いがある場合

信号の色やそれぞれの車のスピード、現場の状況などの事故態様自体について、お互いの主張が対立している場合があります。

その場合には、まず、事故態様を立証しなければなりません。そのためには、事故現場、向こうの言い分、場合によっては信号サイクルなどを調査して、どちらの主張が自然なのかを検証する必要があります。

弁護士にご依頼いただければ、弁護士が、資料の収集や現場の検証などを行い、依頼者の方が自然だという証拠を集めます。そのうえで、車の損傷状況や事故前後の動き方などを検討して、依頼者の主張が自然だということ証明していきます。

事故態様には争いがない場合

事故対態様には争いがなく、過失の割合にのみ争いがある場合は、こちらに有利な裁判例(できれば複数の裁判例)を検索して見つけ出す必要があります。見つけ出した裁判例を提出して、相手方を説得します。

膨大な量の裁判例から、自分が必要とする裁判例を見つけ出すことは、個人の方にとってはかなり困難なことだと思います。交通事故を日々扱っている弁護士は、裁判例に関する知識も豊富ですし、裁判例を的確に検索するノウハウも持っていますので、弁護士に任せるのが得策です。

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過失割合でお悩みの方は弁護士にご相談ください

過失割合がどのように決まるのか、基本的な事項を解説してきましたが、自分に有利な過失割合を相手方に認めさせるためには、法的な知識が必要になるということがおわかりになったかと思います。また、過失割合に大きな争いがある場合には、訴訟になる確率も高いです。

ですから、相手方保険会社が提示する過失割合に納得がいかなかったり、妥当な過失割合がわからなかったりする場合には、ぜひ弁護士にご相談ください。

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