交通事故を弁護士に依頼した場合の示談交渉期間はどれくらいかかる?
弁護士に依頼するとどれくらいで示談・解決できるのかについて解説します。
示談交渉のスタートはいつか
まず、弁護士が示談交渉をするスタート時点を知っておく必要があります。
治療中や後遺障害認定前に弁護士にご依頼いただくことも多いです。
その場合に、お客様の中には、まだ示談できないのかと不安になる方もいらっしゃいます。
結論から言えば、治療中には示談は出来ません。示談というのは、事故の被害者と加害者が、その事故について全て解決し、それ以降お金を請求しないという約束です。
治療中では、後遺症が残るかどうか、慰謝料がどれくらいになるかが算定できないので、示談する金額も決まらないからです。
そのため、示談交渉のスタート時点は、治療が終了し、後遺症が残った場合には後遺障害等級認定も終了した後になります。
また、過失割合だけを先に示談するということもできないので、治療が終了した後に、過失割合の交渉もすることが多いです(ただし、物損がある場合には、物損についての過失割合の交渉を先行することもあります)。
示談交渉の準備にかかる期間
治療が終了し、後遺障害等級認定が確定したからといって、すぐに示談交渉を始めるわけではありません。
示談交渉をするためには、損害額の算定と証拠の検討をしなければなりません。
損害額の算定は、治療と後遺障害認定が終了した後でないとできなのでこの段階で始めることになります。
また、診断書等の医療記録や、領収書、後遺障害による仕事へ支障の聞き取りなどもこの時点で改めて必要になります。
こうして、示談交渉の準備が完了した時点で、はじめて示談交渉がスタートできることになります。
示談交渉がスタートしてから解決までの期間
示談交渉にかかる期間は、損害額の大小、争点の数、加害者側保険会社(または加害者側弁護士)の対応によって大きく変わります。
比較的早く終わるのは、後遺障害がないか、14級の事案で、慰謝料の金額以外に大きな争点がない場合です。この場合は、2週間から2か月くらいで終わることが多いです。
他方で、過失割合に争点がある事案や、10級以上の後遺障害が認定されている事案などは、加害者側からの回答に時間がかかることや、再交渉を繰り返すことから、2か月から6か月程度交渉期間がかかることも多いです。
その他に、ご依頼者の希望の程度によっても示談交渉期間は大きく変わります。当然、ご依頼者が金額よりも早期解決を重視すればするほど、譲歩の程度が大きいほど)、示談交渉期間は短くなります。
示談交渉が決裂した場合に解決までかかる期間
示談交渉が決裂した場合には、解決まではさらに時間がかかります。
紛争処理センターに申し立てた場合は、示談交渉決裂から解決までは、4か月から6か月程度かかることが多いです。
裁判をする場合には、ケースバイケースですが、示談が決裂してから解決まで、さらに6か月から1年半程度かかることが多いです。