どこがいい?交通事故弁護士のおすすめの選び方と探し方
最終更新日:2024年11月19日/投稿日:2022年2月1日/執筆者弁護士豊田 友矢
交通事故にあって、損害賠償請求を請求するにあたって、弁護士に依頼することには、大きなメリットがあります。
しかし、日常的に弁護士との付き合いがある方は少ないですし、どのような弁護士に依頼すればよいのか全然わからないという場合もかなり多いと思います。
交通事故の問題を、スムーズに解決するためには、弁護士選びも重要となってきます。
ここでは、弁護士や法律事務所を選ぶにあたってポイントとなる点や、実際に弁護士を探す方法を解説します。
交通事故弁護士のおすすめの選び方
法律相談を受けてから決める
インターネットで検索をすると、交通事故を得意としていることをアピールしている弁護士・法律事務所はたくさん出てくると思います。
インターネットから得られる情報の中にも、ホームページに交通事故の情報がのっていたり、見た人が分かりやすいように配慮したサイトになっていたりするなどといった、弁護士選びの判断材料とできるものはあります。
しかし、最終的に依頼する弁護士を選択する場面においては、インターネットの情報からだけではわからない情報も重要となってきます。
弁護士選びにおいて、弁護士の性格(人柄)や印象は、非常に重要です。
たとえ優秀な弁護士であっても、依頼者との相性が良くなければスムーズに進まないこともあるかもしれませんので、相性が何より大事といっても過言ではないかもしれません。
ですから、まずは、実際に法律相談に出向いて、その弁護士と話した感じとか、信頼できそうかどうかとか、話しやすさとか、説明が分かりやすいかとか、怖いと感じることがないかなど、様々な印象を見てもらいたいと思います。
また、交通事故の事件は、交通事故に詳しいかどうか、交通事故に強いかどうかによって結果が変わってくることも多いですので、法律相談の中でいろいろなことを質問してみて、納得のいく形で回答をしてもらえるかどうかを確認することも重要です。
弁護士費用についても、どのくらいの費用がかかるのか、支払い方法はどのようになっているのかなど、相談の中できちんと説明してもらって、納得がいくかどうかを確認してください。
法律相談は無料で行っている事務所も多いですので、まずは一度面談の相談を受けてみることをおすすめします。
後遺障害が残った場合には必要な医学的知識を有している弁護士
弁護士は司法試験に合格した法律の専門家ですので、基本的な法律論はもちろん知っていますが、医学的な知識については、全然有していない状態で弁護士になっていることが普通です。
しかし、交通事故の事件を解決するには、医学的な知識が必要になってきます。
特に後遺障害の認定においては、医学的な知識がないと適切な判断をできない場面が多くあります。
後遺障害等級認定が終わっている案件についても、裁判で後遺障害が問題になった場合には、やはり医学的な知識が必要になります。
後遺障害の問題に関しては、医学的な知識がないと交渉で強く戦うことはできないのです。逆に医学的な知識が全くないと、間違ったやり方で暴走してしまうこともあります。
ですから、交通事故で怪我をしたような場合の弁護士選びにおいては、医学的な知識を蓄積する努力をしている弁護士なのかどうかという点も、重要となってきます。
地元に密着した弁護士の強み
事故直後から依頼をして後遺障害等級認定のサポートを受ける必要がある事案などにおいては特に、何度も弁護士との打ち合わせをした方がよい場合があります。
また、弁護士が病院に同行したり、交通事故の現場でしっかり現場検証をしたりといったことが必要となるケースもあります。
そのような場合には、やはり、遠い法律事務所の弁護士ではなく、地元の弁護士に依頼した方が、フットワークを軽く対応してもらえることが多いでしょう。
遠い事務所に頼んでしまうと、電話だけでのやりとりになってしまったり、直接話す機会がほとんどなかったりと、頻繁にサポートを受けるのが難しくなってしまうこともありますので、注意が必要です。
もし離れた地域の弁護士に依頼する場合には、そういう点について、どのように対応しているのかを事前に確認してからの方がよいでしょう。
交通事故に強い弁護士か相性の良い弁護士か
交通事故を弁護士に依頼する場合には、2つの点が重要です。1つは交通事故に強いかどうか、もう一つはあなたとの相性です。
ただ、交通事故の案件といっても千差万別です。交通事故に強い弁護士に依頼するかそうでない弁護士に依頼するかで、受け取る賠償金の結果が数百万円から数億円変わる事案というのはたしかにあります。
でも逆に、普通の弁護士(交通事故の事件処理の経験がある弁護士)に依頼すれば、結果はほとんど変わらないという案件もそれなりにあるのです。そういう案件の場合は、交通事故に強いかどうかよりも、あなたとの相性、弁護士の性格や立地などを重視して弁護士を探した方が、満足度も高くなるのではないかなと思います。
もちろん、そうして選んだ弁護士が、交通事故に強い弁護士であればいうまでもありませんが・・・
当事務所でも、以前に交通事故の依頼を受けて解決した方からのご紹介で、遠方に住んでいる方から、交通事故に詳しい弁護士といわれてご相談を受けることもあります。そう言われるのはありがたいので、できる限りお受けするようにしているのですが、中にはわざわざ遠くから来ていただかなくても、近辺の弁護士を探した方が良いのではないかなというものもあるのです。
骨折がなく後遺症もないかつ過失割合に争いがないかつ休業損害に争いがない
このような案件では、交通事故に強いかどうかよりも、自宅から近くて相談がしやすいという所や、弁護士と話しやすい、怖くなさそうという所で弁護士を選ぶのが良いと思います。
風邪を引いた時に風邪に強い医者を探すことはないのと同じように、交通事故と一口に言っても、単に相談しやすい弁護士に依頼すれば良い場合には、わざわざ交通事故に強いかどうかを見定める必要はありません。
交通事故弁護士のおすすめの探し方
交通事故の示談交渉等について相談する弁護士の探し方には、以下のように複数の方法があります。
インターネットで弁護士を探す
インターネットで検索して、自分で弁護士を探して選ぶ方法です。
交通事故に関しては、最近はこの方法で弁護士を探す方がかなり多くなっています。この方法が多くなっている理由は、自分で弁護士を選ぶことができるという点だと思います。これ以外の全ての方法は、あくまで弁護士の紹介を受けるものであるため自分で弁護士を選ぶことができません。なお、弁護士費用特約は保険会社に紹介してもらった弁護士ではなくて、自分で探した弁護士に依頼する場合にも利用することができます。
まずは、「交通事故 弁護士 自分の住んでいる地域名」などで検索してみましょう。最近は、ホームページを開設している弁護士事務所が多いため、複数の法律事務所のサイトが表示されると思います。お住まいの地域によっては、あまり弁護士のサイトが表示されない場合もあります。そのときは、近隣の地域名で検索し直すなど、地域の範囲を広げてみるのが良いでしょう。
次に、検索結果に表示された、弁護士・法律事務所のサイトを複数みてみましょう。1つだけではなくて、いくつか見てみるのがおすすめです。その上で、弁護士の紹介や、交通事故に関して詳しそうか、実績がありそうかなどを比較してみましょう。ただし、実際にはホームページの記載だけでは決定打になりません。ホームページは広告的要素もあるため、広告に興味がない弁護士は、大した記載もしていないことが多いからです。
最終的には、いくつかにしぼって、実際に相談をしてみましょう。その段階では依頼する弁護士を決めておく必要はありません。実際に相談した後に、場合によっては複数の弁護士に相談し、信頼できそうな場合に初めて依頼する弁護士を決めるのが良いでしょう。
知り合いの弁護士に相談する方法
知り合いに弁護士がいる方は、まずはその知り合いの弁護士に相談するという場合も多いと思います。
その場合、その弁護士が交通事故に詳しくない場合には、他の弁護士を探すように言われたり、他の弁護士を紹介してもらったりすることがあります。
知り合いに弁護士を紹介してもらう方法
身近な知り合いに、弁護士を紹介してくれる人がいる場合には、その知り合いに弁護士を紹介してもらうことがあります。
ただこの場合、その弁護士が交通事故に詳しいとは限りませんし、紹介してもらった手前、その弁護士と相性が合わなくても、依頼せざるを得ないというデメリットはあります。
保険会社によるLAC(ラック)を通じた弁護士の紹介
自分の加入している保険会社の弁護士費用特約が使える場合、LAC(ラック)という日弁連が設立した組織を通じて、弁護士を紹介してもらえる場合があります。
この場合、その保険会社が弁護士を指定するのではなく、弁護士会が管理するLAC専用の名簿に掲載されている弁護士が、紹介されることになります。
この方法のデメリットは、LACの名簿は必ずしも交通事故に詳しい弁護士だけが登録できるものではないため、紹介された弁護士が交通事故に詳しいとは限らないことです。
また、弁護士を選べない点や自宅から遠方の弁護士を紹介される可能性がある点もデメリットとなります。
保険会社による顧問弁護士・提携弁護士の紹介
LACに加入していない保険会社やLACに加入している保険会社でも事件の内容によっては、保険会社の顧問弁護士や提携弁護士を紹介されることもあります。
この方法のデメリットは、自分で弁護士を選ぶことができないということと、紹介される弁護士が自宅から遠かったりすることがあるという点です。
また、紹介してもらった手前、その弁護士と相性が合わなくても依頼せざるを得なくなってしまう方もいると思います。
日弁連の交通事故相談を利用する方法
日弁連の交通事故相談センターという所で、交通事故の相談をすることができます。
ただしこの方法も、弁護士を選ぶことはできません。
法テラスの相談を受ける方法
弁護士に依頼する資力がない場合には、法テラスで弁護士に相談し、法テラスに弁護士費用を立て替えてもらうことが出来ることがあります。
交通事故に強い弁護士のランキングなんてあるの?
交通事故弁護士で検索すると・・・
Googleなどで「交通事故弁護士」で検索すると、「交通事故 弁護士 ランキング」というサジェストキーワードが出ることがあります。
これは、インターネットで交通事故の弁護士を探している方の中に、弁護士のランキング見たいと考えて検索している方もいるからかと思います。
ランキングと書いてあるサイトの存在
実際に「交通事故弁護士ランキング」というキーワードで検索して、「弁護士ランキング」というようなタイトルのサイトが出てくることもあります。
しかしながら、このようなサイトは、単に広告業者が作成したサイトであり、広告料を支払っている法律事務所を掲載しているにすぎません。
ポータルサイトの表示順はランキングではない
他にも、多くの弁護士が登録しているポータルサイトでは、ランキングとは明示していなくても、弁護士が順番に表示されていることがあります。
この順番もランキングとは一切関係がありません。広告費用を支払っている弁護士が上位に表示されるか、あとはランダムの順番で表示されています。
ランキングを見たい人の本当の理由
ランキングというキーワードで検索している人は、交通事故に強い弁護士を探している方だと思います。ランキングで上位なら交通事故に強いと考えるからかも知れません。
ところが、交通事故に強い弁護士ランキングというのはそもそも存在しません。
ランキングというからには、何らかの評価基準が必要ですが、弁護士には守秘義務もありますし、第三者が交通事故を扱っている弁護士がどのような案件をどれくらい扱っているのか、どれくらい交通事故に精通しているのかを客観的に測定することはできないからです。
結局は事故に強い弁護士を自分で探すしかない
このように交通事故に強い弁護士を探したいと思っても、いわゆるランキングサイトやポータルサイトが宣伝サイトである以上、見分けることができません。
そのため、実際には、宣伝サイトではなくそれ以外の事務所の公式サイトを確認した上で、これまでの実績や弁護士としての理念などを確認するのが重要です。
さすがに、実績について公式サイトで虚偽の事実を記載している法律事務所はないと思います。
ただし、これだけでも十分ではありません。公式サイトも宣伝サイトよりはましですが、集客のために作成していることには違いがないからです。そのため、多くの公式サイトを見ても似たり寄ったりで、選ぶのに迷ってしまうこともあるかと思います。
結局、最終的には、弁護士と相談した際の対応やアドバイスから、交通事故に精通しているかどうかを判断するしかないことになります。
弁護士選びに迷ったらご相談ください
以上、弁護士を選ぶにあたってポイントとなる点をご紹介しました。交通事故にあって弁護士に依頼しようかと考えておられる方は、まずは一度ご相談ください。
法律相談に行ったからといって必ずしもその事務所に依頼しなければならないというわけではありませんので、お気軽にご相談いただければと思います。
弁護士に依頼して後悔しないようにするためには、次の記事も参考にしてください。