免責証書とは?書き方・注意点や示談書との違いを解説
最終更新日:2024年11月19日/投稿日:2020年12月24日/執筆者弁護士豊田 友矢
免責証書とは?
交通事故の怪我の治療が終了すると、相手の保険会社から「免責証書」という書類が届きます。
保険会社によっては、
- 「事故解決に関する承諾書」
- 「損害賠償に関する承諾書」
- 「人身傷害に関する承諾書」
という題名のものもありますが、これらはいずれも「免責証書」と呼ばれる書類です。物損用と人身用があります。
免責証書に署名押印をして、そこに記載された金額を受け取った場合には、事故に関して全て解決したものとして、それ以上の金額は請求できなくなります。
免責証書と示談書の違いは?
示談書は、書面上に事故の被害者と加害者の双方が署名・押印をします。他方で、免責証書は被害者のみが署名・押印をします。
そのため、免責証書の方が直ぐに作成でき、示談金も早く振り込まれるため、被害者にもメリットがあるといえます。
ただし、免責証書は、片方だけが示談金を受け取る場合でかつ、支払元が保険会社である場合に利用します。そのため、物損で過失100:0以外の場合や、加害者が無保険または保険を利用しない場合などは、免責証書ではなく示談書を作成することになります。
免責証書の書き方・注意点
免責証書には、被害者の住所、氏名、記入日、示談金受取口座情報等を記入します。通常3枚から4枚の複写式になっているため、一番上の紙に記載した後に、全ての紙に押印をします。
一番下にある紙は、被害者の控えであることが多いので、保険会社に返送しないように気をつけてください。
なお、弁護士に依頼している場合には、署名押印を弁護士がする場合もあります。
免責証書を送付後いつ示談金の振込がある?
署名押印した免責証書を保険会社に送付すると、早くて5日前後、遅くとも2週間程度で、示談金が指定した口座に振り込まれます。ご自身で署名押印した場合には、示談金が振り込まれる日に近い日に保険会社から示談金支払のお知らせという手紙が届くことが多いです。
示談金を受け取ったら、事故について全て解決したので、他にすることはありません。
免責証書の控えは保管しよう
免責証書の控えはなくさないように保管しましょう。基本的には免責証書の控えが必要になることはありませんが、万が一、振り込まれた示談金について税務署の調査が入った場合には、免責証書を示して事故の賠償金であることを証明しましょう。
事故の賠償金は非課税なので、事故の賠償金であることが証明できれば大丈夫です。
免責証書にサインする前に弁護士に相談を!
弁護士に依頼する前に送られてきた免責証書に記載された金額は、かなり低額の場合が多いです。
また、傷害部分のみ先行示談したつもりが、後遺障害部分については別途協議する旨の条項をいれずに免責証書にサインしてしまい、後遺障害部分の請求が困難になってしまう場合もあり得ます。
いずれにしても、免責証書にサインするというのは、重大な決断なので、事前に弁護士に相談してからにするのがおすすめです。