軽症の交通事故示談金・慰謝料の相場はどれくらい?
目次
交通事故の軽症とはどんな怪我?
軽症というのは症状や怪我の程度が軽度という意味です。
交通事故でよくある怪我の中では、打撲、捻挫(むちうち含む)、切創・挫創などが軽症と言って良いでしょう。
逆に骨折などがある場合は、軽症とはいえないことがほとんどです。
なお、軽症の場合は、事故後に警察に提出するために病院でもらう診断書で、全治1ヶ月未満(例えば1週間、10日間、2週間、3週間など)となっていることがほとんどです。
怪我の軽重と慰謝料の関係とは?
軽症の場合の方が、一般的に重症の場合よりも交通事故の慰謝料は低くなります。
基本的には、怪我が重ければ重いほど慰謝料は高額になる傾向があります。
なぜかというと、怪我が重い場合は、①入院が必要になったり、②通院期間が長くなったり、③後遺症が残ったりしますが、①②③は慰謝料が高額化する理由となるからです。
また、いわゆる弁護士基準の慰謝料では、同じ通院期間であっても、軽症か重傷かによっても慰謝料が変わります。
軽症の交通事故慰謝料の相場とは?
軽症の場合の慰謝料は、事故が原因の通院日数と通院期間によって慰謝料が変わってきます。
また、慰謝料の額は、保険会社から提示される自賠責基準と、弁護士を依頼したときに請求する弁護士基準の2種類があります。
そのため、軽症の場合の慰謝料は、通院期間が長くて、かつ、弁護士に依頼するなどして弁護士基準の慰謝料を請求する場合が、一番高い金額になることが通常です。
軽症の場合は、通院期間は、2週間から4ヶ月程度のことが多いかと思います。
これらの通院期間の、慰謝料の目安は以下の通りになります。
軽症の通院期間・頻度 | 自賠責基準 | 弁護士基準※ |
15日(週2回計4回) | 34,400円 | 95,000円 |
1ヶ月(週2回計8回) | 68,800円 | 190,000円 |
2ヶ月(週2回計16回) | 137,600円 | 360,000円 |
3ヶ月(週2回計24回) | 206,400円 | 530,000円 |
4ヶ月(週2回計32回) | 275,200円 | 670,000円 |
※過失がある場合は、最終的な取得額は減額されます。また、示談での早期解決目的や他の争点との関係でこれよりも減額されることもあります。
通院すればするだけ慰謝料がもらえるわけではない
注意しなければいけないのは、単に通院すればするだけ慰謝料がもらえるわけではないということです。
特に、打撲、捻挫等の軽症の場合、骨折などの重傷と違って、通院期間の妥当性が争われやすい傾向にあります。
慰謝料の算定対象となる通院期間というのは、実際に通院した期間ではなく、法律的に事故と相当因果関係がある通院期間に限られます。
そのため、いくら通院を継続したとしても、事故との相当因果関係が認められない限り、慰謝料が増えることはないのです。
そして、打撲・捻挫(むちうちなど)の軽症では、画像上の異常所見や他覚所見が得られないことが多いため、個別的な治療長期化の事情を証明することが難しいことが多いです。
そのため、因果関係が認められる通院期間というのが、「これくらいの事故でこれくらいの怪我ならば、普通の人はこれくらいの治療期間だろう」という一般論が重症の場合よりも重視される傾向にあります。
軽症の場合のよくある通院期間と慰謝料
ここでは、交通事故で軽症の怪我を負った場合の良くある通院期間毎の慰謝料を詳しく見ていきます。
通院期間15日のケース
通院期間1ヶ月のケース
通院期間2ヶ月のケース
通院期間3ヶ月のケース
通院期間4ヶ月のケース
軽症の場合にもらった慰謝料・示談金額の実例
それでは、当事務所で解決した事例の中で、軽症のケースではどれくらいの慰謝料をもらったのかを紹介します。
慰謝料71万円のケース
慰謝料73万円のケース
慰謝料38万円のケース
慰謝料数万円のケース
軽症でも弁護士に依頼した方が良いのか
軽症の場合でも、弁護士基準で慰謝料を請求することによって示談金を増額することができます。
そのため、弁護士特約がある場合には、軽症であっても弁護士に依頼した方が良いケースがかなり多いです。
他方で、弁護士特約がない場合には、弁護士費用以上に、慰謝料・示談金を増額できるかどうかが鍵になってきます。
これについては、次の記事で詳しく解説しています。