通院5ヶ月の交通事故慰謝料はいくら?【むちうちの示談金】
最終更新日:2024年11月19日/投稿日:2022年8月2日/執筆者弁護士豊田 友矢
目次
通院5ヶ月の交通事故慰謝料の計算
交通事故の慰謝料は、弁護士に依頼するかどうかで、計算方法が異なります。
弁護士に依頼しない場合は、自賠責基準で計算された額が保険会社から提示されることが多いです。
他方で、弁護士に依頼した場合は、弁護士基準(裁判基準ともいいます)で計算して請求します。
弁護士に依頼しない場合(自賠責基準)
自賠責基準の慰謝料は、通院日数の2倍か通院総期間のうち、どちらか少ない方について1日につき4,600円が支払われます。
通院5ヶ月の慰謝料について、通院頻度別に表にすると次の通りになります。
通院頻度 | 自賠責基準の通院5ヶ月慰謝料額 |
月2回(5ヶ月計10回通院) | 86,000円 |
週1回(5ヶ月計20回通院) | 172,000円 |
週2回(5ヶ月計40回通院) | 344,000円 |
週3回(5ヶ月計60回通院) | 516,000円 |
弁護士に依頼した場合(弁護士基準)
弁護士基準の場合は、原則として通院日数ではなく通院期間で計算します。
そのため、通院頻度が違っても、慰謝料の金額は原則として変わりません。
また、打撲・捻挫・切り傷・むち打ち等の軽傷か、それ以外の骨折等の怪我かによって、慰謝料の金額が変わります。
ケガの種類 | 弁護士基準の通院5ヶ月慰謝料額 |
打撲捻挫・むち打ちなどの軽傷 | 790,000円 |
骨折など軽傷以外 | 1,050,000円 |
※例外的に通院日数の3倍または3.5倍を通院期間とすることがあります。
通院5ヶ月で治療費の打切りを打診されることも・・・
最近は比較的症状の重いむち打ちの治療中であっても、事故から5ヶ月で保険会社から治療費の打ち切りを打診される例をよく見かけます。
また、通院5ヶ月で症状固定にした上で、保険会社にいわれるがまま、後遺障害の申請(事前認定)がなされているケースも散見します。
そして、そのほぼすべてが、非該当(後遺障害なし)という結果になっています。
打ちきりの際に症状が残存していたら・・・
もちろん、5ヶ月の時点で症状が改善したのであれば、通院を継続する必要はありません。
しかしながら、通院5ヶ月時点でも、むちうち等の症状が残存していたら、仮に治療費を打ち切られても、健康保険を利用し治療を継続すべき場合が多いです。
これは、事故から5ヶ月の治療期間では、仮に症状が残存していたとしても、後遺障害としては認められないことがほとんどだからです。
もし、5ヶ月治療しても症状が改善せず、後遺障害の申請もしたいのであれば、自費通院をしてでも最低6ヶ月は治療を継続すべきといえます。
通院5ヶ月の時点は後遺障害申請の有無を検討すべき
通院5ヶ月の時点で、後遺障害の申請をした方がよいかを考えておくべきです。
5ヶ月の時点で症状がほぼ改善しており、もう大丈夫だろうという場合は、治療を終了し、先ほどみた慰謝料を示談交渉することになります。
逆に、5ヶ月の時点で、未だ症状が残存しており、あと1ヶ月通院してもそこまで大きく変わらないだろうというときは、事故から半年以上経過してから、どこかで症状固定として、後遺障害の申請をする準備を始めておきましょう。
通院5ヶ月の時点は弁護士に相談する良いタイミング
通院5ヶ月の時点では、いつ症状固定にするのか、治療費の打ち切りの対応、後遺障害等級認定申請をするかどうか、申請する場合にはその準備など、考えなければならないことがたくさんあります。
そのため、これまでは治療に専念するだけでよかった方も、通院5ヶ月頃のタイミングで、損害賠償請求や示談交渉という法律問題について意識する必要が出てきます。
そんな中で、専門的な判断やアドバイスが必要になることも珍しくありません。
そうすると、通院5ヶ月の段階は、弁護士に相談すべき良いタイミングであるといえるでしょう。