通院2ヶ月の交通事故慰謝料はいくら?|むちうち・打撲などの場合
最終更新日:2024年10月26日/投稿日:2022年8月1日/執筆者弁護士豊田 友矢
目次
通院2ヶ月の慰謝料の計算方法
慰謝料の基準には、自賠責基準と弁護士基準の2種類があります。
同じ通院2ヶ月でも、このどちらの基準を使うかによって慰謝料の金額が変わってきます。
自賠責基準で計算した場合
通院2ヶ月程度の事故の場合は、弁護士を入れないと保険会社からは自賠責基準での提示がなされることがほとんどです。
自賠責基準では、同じ通院期間2ヶ月でも、通院日数によって慰謝料が変わります。
具体的には次の通りとなります。
通院頻度 | 自賠責基準の通院2ヶ月慰謝料額 |
月2回(2ヶ月計 4回通院) | 34,400円 |
週1回(2ヶ月計 8回通院) | 68,800円 |
週2回(2ヶ月計16回通院) | 137,600円 |
週3回(2ヶ月計24回通院) | 206,400円 |
弁護士基準で計算した場合
弁護士に依頼した場合は、慰謝料は弁護士基準で計算します。
弁護士基準には、赤い本別表Ⅰと別表Ⅱの2種類がありますが、通院が2ヶ月で終了するケガの場合は、大半が別表Ⅱとなります。
別表Ⅱの弁護士基準の慰謝料は次の通りです。
弁護士基準の通院2ヶ月慰謝料額 | 360,000円 |
過失がある場合は弁護士基準にしない方が良いことも・・・
これまで見てきたのは、損害としての慰謝料の額です。もし被害者自身にも過失がある場合、つまり、過失割合が10対0以外の場合は、自賠責基準のままの方が慰謝料が高くなることもあります。
先ほど見たように、自賠責基準の慰謝料の額よりも、基本的に弁護士基準の慰謝料の額の方が高いのですが、自賠責基準にも大きなメリットがあるのです。
それが、自賠責基準の慰謝料は被害者に7割以上の過失がない限り、過失相殺による減額がされないという点です。
逆に弁護士基準の慰謝料は、被害者の過失に応じて過失相殺されます。
そのため、例えば過失5:5の事故などでは、自賠責基準で計算した方が通院2ヶ月の慰謝料が高くなることもあり得ます。
通院2ヶ月しかなくても慰謝料は増額できる
通院が2ヶ月で終了するケガは、打撲・捻挫・軽度のむち打ちなどが多く、比較的軽傷です。
そのため、わざわざ弁護士に依頼する必要はないと考える方もいるかと思います。
しかしながら、弁護士に依頼すると、上で説明した自賠責基準と弁護士基準の差額程度は増額の余地があります。
具体的には、通院頻度にもよりますが、10万円~25万円程度は増額可能性があることになります。
主婦なら休業損害を増額できることも
主婦が通院2ヶ月程度のケガを負った場合、保険会社からは休業損害の提示が0円とされていることも多いです。
弁護士に依頼した場合、2ヶ月の通院期間の家事への支障状況を詳細にお伺いし、主婦としての休業損害として請求します。
そのため、主婦の場合、弁護士に依頼すれば慰謝料以外にも、追加で休業損害を増額できる可能性があるというメリットもあります。
通院2ヶ月だと弁護士特約が有効活用できる
また、増額できる幅が10万円~25万円だと、弁護士費用を支払うと、手元に残る増額分はほとんどないことが多いです。
そのため、通院2ヶ月程度の場合、実際には弁護士特約を利用できる方から依頼を頂くことがほとんどです。
弁護士特約を利用すれば、弁護士費用の自己負担がないため、増額した慰謝料の10万~25万円をすべて依頼者の手元に残すことができます。