交通事故の弁護士費用特約の使い方と流れ|デメリットやタイミングも解説
最終更新日:2022年3月8日/投稿日:2022年3月8日/執筆者弁護士豊田 友矢
交通事故にあってしまったとき、「そういえば弁護士費用特約に加入していたな。でも使い方がわからないや」という方も多いと思います。
ここでは、弁護士費用特約の使い方や流れについて詳しく解説します。また、デメリットがあるのか?ということや、使うタイミングについても解説します。
なお、そもそも「弁護士費用特約って何?」という方は次の記事を参考にしてください。
目次
弁護士費用特約の使い方と流れ
1 弁護士特約に加入しているかを調べる
まずは、弁護士費用特約に加入しているかどうかを調べましょう。自分の自動車保険だけではなくて、家族の自動車保険や、自宅の火災保険に弁護士費用特約が付いていることがあります。特に、家族の保険や火災保険の弁護士費用特約は気づかないで使えなかったというケースもあるのでしっかりチェックしましょう。
弁護士費用特約加入しているか調べるには、保険会社に電話して聞くか、保険証券や加入者証の特約欄に「弁護士費用特約」という記載がないか確認しましょう。
2 保険会社に弁護士費用特約を利用したいと伝える
弁護士費用特約に加入していることがわかったら、弁護士費用特約の保険会社に弁護士特約を利用したいと伝えましょう。なお、この際に弁護士費用特約を利用する理由を聞かれることがありますが、どんな理由であっても弁護士費用特約は利用できるので心配する必要はありません。
また、この際に、保険会社によっては、相談前に弁護士名を教えてほしいと言われることもあります。
3 相談する弁護士を探して相談予約を取る
次に、交通事故相談をする弁護士を探して、相談予約を取りましょう。
弁護士の探し方は、こちらの記事を参照してください。
保険会社から、事前に相談する弁護士名を教えてほしいといわれていた場合は、予約を取ったら保険会社に連絡して予約を取った弁護士名または法律事務所名を教えましょう。
4 弁護士に相談・依頼する
次に、実際に弁護士に相談して、依頼するかどうか決めましょう。
依頼する場合は、必ず弁護士に弁護士費用特約を利用したい旨伝えましょう。弁護士費用特約を利用するかどうかで、契約書の費用に関する内容が変わってきます。
弁護士の選び方は、こちらの記事を参考にしてください。
5 保険会社に依頼する弁護士を決めたと連絡する
弁護士に依頼をしたら、弁護士費用特約の保険会社に連絡して、弁護士に依頼したことを伝えましょう。保険会社によっては、書面で依頼したことを連絡する必要があることもあります。
6 弁護士が直接保険会社に着手金や相談料を請求する
弁護士費用は、弁護士があなたの代わりに保険会社に請求してくれることがほとんどです。ただし、弁護士によっては、一部の保険会社については依頼者自身が保険会社に弁護士費用を請求する必要があることがありますので、事前に弁護士に確認しておくと良いでしょう。
7 弁護士が相手と示談交渉などを行う
弁護士が相手保険会社と示談交渉などをあなたの代わりに行います。
8 事件が解決し示談金をもらう
事件が解決したら、賠償金・示談金が依頼者の口座に振り込まれます。弁護士費用特約の範囲内であれば、弁護士費用の負担がないため、賠償金・示談金の全額が振り込まれることになります。
9 弁護士が直接保険会社に報酬金を請求する
最後に、弁護士が、弁護士費用特約の保険会社に対して、事件解決の報酬金を請求します。そのため、依頼者が特に何かする必要はありません。ただし、この際に、弁護士費用特約の保険会社から依頼者に対して、事件が解決していることと、弁護士費用を支払うことの確認の連絡があることが多いです。
弁護士費用特約を使えないケースはある?
弁護士費用特約を使えないケースは大きく分けて2つあります。
1つ目は、弁護士費用特約には加入しているが、今回の事故は適用外になっている場合です。例えば、保険会社によっては、業務中の事故については弁護士費用特約が利用できないと約款で定められているところがあります。このような場合、弁護士費用特約に加入していても、今回の事故については利用することができません。
2つ目は、相談した弁護士が、特定の保険会社の弁護士費用特約の利用を拒む場合です。この場合も、弁護士を通じずに、直接弁護士費用特約を利用することはできますが、いったん弁護士費用を自分で弁護士に支払う必要があります。また、この場合、実際に支払った弁護士費用と、弁護士費用特約の保険が社から支払ってもらえる保険金に差が生じマイナスになることもあります。
逆に言えば、この2つのケース以外で、弁護士費用特約が使えないことは通常ありません。
弁護士費用特約を使うタイミングは?
弁護士費用特約は、必ず弁護士に相談するタイミングで使いましょう。
もっとも、弁護士特約があることを知らずに弁護士に依頼した後になって、弁護士費用特約があることが判明した場合でも、弁護士費用特約を利用することはできます。
ただし、再度弁護士と契約変更手続をする必要があるため、手続が煩雑になります。また、依頼した弁護士によっては、途中から弁護士費用特約の契約に変更することができない可能性もあるので注意しましょう。
弁護士に相談するタイミングについては、次の記事を参考にして下さい。
弁護士費用特約を使うとデメリットはある?
いきなり結論からいうと、弁護士費用特約を利用すること自体にはデメリットは一切ありません。
弁護士費用特約を利用しても保険の等級は変わらず、保険料が上がることもありません。
逆に弁護士費用特約を利用すると、特約の範囲内では弁護士費用の負担なく弁護士に依頼できますし、仮に特約の範囲を超えたとしても、弁護士費用の自己負担分は大きく下がりますので、大きなメリットがあります。