交通事故を弁護士に相談する際に聞くべきこと・伝えるべきこととは?
最終更新日:2022年2月24日/投稿日:2022年1月27日/執筆者弁護士豊田 友矢
交通事故を弁護士に相談する際に、お客様から、弁護士に聞いておくべきことと、弁護士に伝えておくべきことについて解説します
目次
弁護士に聞くべき事
弁護士費用を聞く
交通事故の弁護士費用は、どの弁護士に依頼しても同じというわけではありません。
ですので、ホームページ等に明確に弁護士費用が記載されていない場合には、依頼する弁護士に弁護士費用についてわからない点を全て聞いておきましょう。
弁護士費用特約を利用する場合であっても、一部の法律事務所では、弁護士費用特約における基準よりも高額な弁護士費用を設定している場合もあります。
その場合には、お客様の持ち出しが生じるおそれがあるため、事前に弁護士費用特約の基準と異なるところがないかどうか、差額が生じる可能性について聞いておきましょう。
また、交通事故を弁護士に依頼して費用倒れにならないケースかどうかもしっかり確認しておきましょう。
後遺障害について聞く
後遺障害が認定されるかどうかによって、示談金・賠償金の額は数倍から数十倍変わります。
後遺障害等級認定前に弁護士に依頼する場合には、怪我の内容・程度、症状の内容・程度、治療経過等を弁護士に伝えた上で、後遺障害認定の見通しについて聞いておきましょう。
その上で、どのようにすれば適正な後遺障害認定が受けられるかどうかを聞いてアドバイスをもらいましょう。
過失割合について聞く
過失割合も、示談金・賠償金の額に大きく影響します。
また、過失割合の見通しによっては、弁護士基準の額が自賠責基準の額を下回ることがあるため、弁護士に依頼する必要があるかどうかを決める手がかりとなります。
損害額の見通しについて聞く
損害額の大きさによって、弁護士に依頼するかどうかを決める方もいると思いますので、損害額がどれくらいになるかの見通しも聞いておくと良いでしょう。
解決までの流れについて聞く
弁護士に依頼してから、どのような流れで解決するかを聞いておくと、弁護士に依頼した後に不安にならずに済みます。
今はどの段階なのかというのがわかっていれば、解決に向けて進んでいるのかどうかがわかります。
弁護士に伝えるべきこと
弁護士費用特約の利用の有無を伝える
弁護士費用特約に入っていても、その特約を利用することを弁護士に伝えなければ、弁護士費用を一旦自分で負担する必要が出てきます。
事前に弁護士に伝えておけば、あなたが弁護士費用を負担することなく、弁護士が直接保険会社に弁護士費用を請求することができます。
持ち出しで支払っている費用とその金額を伝える
事故のせいで依頼者が支出した費用がある場合に、それを弁護士に伝えていなければ、弁護士は相手に請求をすることはできません。
既に保険会社から受け取っている治療費や休業損害については、弁護士が保険会社から資料を取り寄せることで判明しますが、依頼者が保険会社や弁護士に伝えていない費用については、あなたが直接弁護士に伝えないと請求漏れになってしまいます。
早期解決を重視するか金額を重視するかを伝える
弁護士が交通事故の示談交渉をする際のやり方や戦略は様々ですが、基本的には依頼者の意向・希望を重視して交渉を行います。
そのため、早期解決を重視するのか、時間はかかっても1円でも多額の示談金を目指すのかなどの希望を弁護士に伝えておけば、交渉中に弁護士との意思の疎通が図りやすいです。
最悪、裁判まで考えているかどうかを伝える
裁判には依頼者にも労力がかかるため、弁護士としては、依頼者が裁判まで考えているかどうかは知っておきたいところです。また、裁判にはリスクもあります。
裁判を前提とした示談交渉と、早期解決を目的とした示談交渉では、やや戦略が変わってくることもありますので、裁判まで考えているかどうかも弁護士に伝えておくと、弁護士が交渉をしやすいということはあります。