離婚調停とは
離婚調停とは、離婚問題の夫婦の紛争について、裁判所の調停委員会の仲介によって、当事者が話し合う手続きです。裁判所で調停委員を通じて交互に話をするので直接相手と顔を合わせて話す必要はありません。
離婚調停では、離婚するかどうかだけでなく、離婚した場合に親権をどちらが取るか、養育費をいくらにするか、財産分与・慰謝料はどうするかなどについても話し合うことができます。
裁判所に行く手続なので、調停をするとなると戸惑う方も多いですが、実は単に裁判所という場を借りた、話し合いに過ぎません。
離婚調停の流れ
1 夫婦のいずれかが離婚調停申立書を裁判所に提出する
離婚調停をするには、離婚調停申立書を裁判所に提出する必要があります。離婚調停申立書の書式や書き方は、裁判所のホームページに載っていますのでそこからダウンロードしても良いですし、お近くの家庭裁判所の窓口でもらうこともできます。
申立書以外に費用も払う必要がありますが、印紙代1200円、切手代が約1000円と裁判所の手続の中でもかなり安くなっています。
また、申立書以外に戸籍謄本が必要になるので、本籍地の役所から取り寄せておきましょう。遠方の場合は郵送で取り寄せることもできます。
2 裁判所から相手方に調停期日の呼出状が届く
調停を申し立てた相手に裁判所から、●月●日に離婚調停をするので、家庭裁判所に来てくださいという内容の呼出状と、離婚申立書の写しが届きます。
調停を申したてられた側としては、調停申立書に書いてあることを良く読んで、相手が何を求めているのかを確認しておきましょう。
3 裁判所で調停を実施する
調停は裁判所にある部屋に夫婦が交互に入り、調停委員と話をします。
調停委員を通じて、こちらの要望や意見を伝えたり、相手の意見を聞いたりします。
離婚調停ではじめに、話をすることは離婚をするかどうかです。夫婦の一方がどんな条件であっても離婚しないという固い決意がある場合には、離婚調停を続けても意味がないので、調停は2回程度で終わりになることが多いです。
条件次第では離婚の可能性があると言うことであれば、親権、養育費、財産分与、慰謝料等の条件について話し合いを行うことになります。この場合、5回くらいは調停で話し合いを行うことが多いです。
4 調停で話し合いがまとまる
調停で、離婚をすることに双方が合意し、また、その条件についても合意すると調停が成立となります。
離婚調停が成立すると調停調書謄本を裁判所に発行してもらい、これを離婚届とともに役所に提出することによって離婚が成立します。協議離婚の場合と異なり、離婚届に相手方の署名押印は必要ありません。
離婚調停の注意点
離婚調停は、あくまで話し合いなので、こちらの希望や意見を一方的に伝えるだけは、調停がまとまることはまずありません。
相手が全て悪くて離婚をせざるを得ない場合や、相手の主張が多少理不尽な場合であっても、譲歩せざるを得ないところは出てくることが通常です。
しかしながら、これは相手のために譲歩するのではなく、あくまで自分にとってよりよい解決のために譲歩するものです。
ところが、どの部分をどの程度譲歩するのかの判断が非常に難しいため、できる限り弁護士に相談だけでもしてみるのが良いでしょう。
離婚調停を弁護士に依頼するメリット
離婚調停をしたり、裁判所に行ったりするのは初めての方が多いはずです。緊張してうまく自分の意思を伝えられなかったりして、相手のペースで調停が進んでしまうこともあります。
離婚調停を弁護士に依頼すれば、譲歩すべきではない点と譲歩すべき点を事前に打ち合わせして明確にできるとともに、法律的なアドバイスも受けることができるので、調停を有利に進めることができます。