離婚調停の管轄|どこの家裁に申立てるか
まずは、離婚調停を申し立てる裁判所がどこになるか調べましょう。裁判所には管轄があるので、どこの裁判所でもよいわけではありません。
次のどちらかです。
- 相手の住所地を管轄する家庭裁判所
- 当事者が合意で定める家庭裁判所
家事事件手続法第245条1項
家事調停事件は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所の管轄に属する。
夫婦で揉めているときに、事前に裁判所の場所を合意できることはあまりないため、通常は1の「相手の住所地を管轄する家庭裁判所」に申立てをすることになります。
相手の住所地を管轄する家庭裁判所はどこか?
では、「相手の住所地を管轄する家庭裁判所」とは、具体的にどこの裁判所なのでしょうか?これは、次のように調べましょう。
まず、裁判所のホームページの「裁判所の管轄区域」というページを開きます。そのページ内に都道府県名が並んでいますので、配偶者の住所の都道府県名をクリックしましょう。
すると、「●●県内の管轄区域表」というページになります。そこに、市町村名が書いてありますので、配偶者の住所の市町村名が見つかるまでページをスクロールしましょう。
配偶者の住所の市町村名が見つかったら、その下に「管轄区域一覧」という表があると思います。その表の中の「地方・家庭裁判所」という欄の右側に、「本町」「支部」「家裁出張所」という欄があると思います。
管轄区域一覧
地方・家庭裁判所 | 本庁 | ●●裁判所 |
支部 | ||
家裁出張所 |
こんな感じです。
「家裁出張所」欄の右側に●●出張所と記載されていれば、そこが離婚調停を申し立てる裁判所です。
「家裁出張所」欄の右側が空欄の場合は、次に「支部」欄の右側を見ましょう。そこに、●●地方・改訂裁判所●●支部と書かれていれば、そこが離婚調停を申し立てる裁判所です。
「家裁出張所」欄も「支部」欄も空白な場合は、「本庁」欄に書かれている裁判所が離婚調停を申し立てる裁判所です。
そもそも相手の住所地の「住所」とは?住民票と違う?
相手の住所地の「住所」とは生活している場所のことをいいます。なので、普通は住民票上の住所と一致するのですが、違う場合もあります。
例えば、配偶者が別居して、実家で生活している場合や新たに賃貸アパートを借りてそこに済んでいる場合、住民票を移していなくても実際に済んでいるところが相手の「住所」地となります。
そのため、例えば東京に住んでいた夫婦の妻が、別居して札幌の実家に引っ越した場合、住民票が東京のままでも、相手の住所地は札幌となります。この場合、「相手の住所地を管轄する家庭裁判所」も札幌の家庭裁判所となるのです。