民事裁判

初めての裁判傍聴のやり方|持ち込めない危険物はある?服装や録音の可否

初めての裁判傍聴

裁判所に行けば、誰でも公開中の裁判を傍聴することができます。

ただし、注意しなければいけないことがいくつかありますので、初めて裁判傍聴をする方向けに、裁判傍聴のやり方と注意点を説明します。

1 危険防止のため危険物は持ち込めない!手荷物検査がある

最近は、危険物の持ち込みを防止するために、建物に入るときに手荷物検査をしている裁判所がたくさんあります。

千葉地方裁判所でも、ゲート式の金属探知機とX線手荷物検査機を使った検査が行われています。

まず、明らかに凶器と分かるようなもの(包丁、銃、木刀など)はもちろん、はさみやカッターなども凶器になり得るので、持ち込むことはできません。

カメラやレコーダーも、裁判所では写真撮影や録音が禁止されているので、原則として持ち込むことは禁止されています。ただし、カバンに入れたままであれば、持ち込みは許されています。カバンからは出さないようにしておきましょう。敷地内も撮影や録音禁止です。

手荷物検査を拒否したり、ルールに違反すると、最悪建物に入れない可能性があります。

また、危険防止のために、長い傘などは法廷に持ち込むことができません。1階に鍵付きの傘立てが置いてあるので、利用しましょう。

2 服装は自由!ただしマスクの着用が求められる

建物に入るときの服装は、自由です。

新型コロナウイルス感染防止のため、マスクを着けるように案内が出ていますので、マスクは着けましょう。

3 傍聴できる事件の日程・時間は開廷表に書いてある

開廷表に、その日公開されている裁判のスケジュールが載っていますので、これ見て、見たい事件を選ぶことができます。

開廷表は、1階の受付に置いてあったり、壁に貼られています。

裁判員裁判のスケジュールは、結構前から裁判所のHPに掲載されているので、HPで確認できます。

4 抽選制?傍聴券がないと傍聴できない事件もある

裁判員裁判など新聞やTVで報道されている大きな事件は、当日に傍聴券が配られることになっており、傍聴券がないと傍聴できません。傍聴券を交付する事件は裁判所のHPに掲載されているので、事前に確認できます。

5 法廷の前に傍聴の注意事項が貼ってある

法廷の前には、だいたい次のような注意事項が貼ってあるので、確認しておきましょう。

「服装を整え、鉢巻き、ゼッケン、たすき、腕章、その他これに類する物を着用しないこと。

危険物、旗、のぼり、プラカード、ヘルメットなどを持ち込まないこと。

裁判長の許可を受けないで写真撮影、録音、放送をしないこと。

静かにし、発言、拍手など騒がしい言動をしないこと。

開廷中みだりに自席を離れたり、不体裁な行いをしないこと。

その他裁判長の命令及び裁判長の命を受けた裁判所職員の指示に従うこと。

以上のことに違反した者は、入廷を禁止され、又は退廷を命ぜられるほか、処罰されることがあります。」

6 法廷はいつでも出入り自由だけど、立ち見はできない

裁判は公開されているので、審理中の裁判でも途中から法廷に入ったり出たりすることができます。

ただし、法廷では、厳粛に審理が行われているで、必要もないのに出入りしたりすると、裁判の妨げになるので注意しましょう。また、立ち見はできません。

7 写真撮影や録音をすることはできないが、メモを取ることはできる

法廷では、裁判長の許可がないと、撮影や録音をすることはできません。裁判長が撮影を許可するのは、審理が始まる前にTV撮影する時ぐらいなので、一般の人に撮影や録音の許可が出ることはまずありません。

メモを取ることは認められています。紙でもPCでもOKです。

8 法廷では静かにしないといけない

法廷では、審理の邪魔になるぐらいの声で他の人と会話したり、裁判長や当事者に向けて発言したり、拍手をしたりすることは禁止されています。スマホも鳴らないようにしておきましょう。

9 傍聴のルールや裁判長の指示を守らないと、最悪処罰される

裁判長には、法廷の秩序維持のために退廷命令その他必要な処置をすることが法律で認められています。

ですので、傍聴ルールに違反すると、裁判長がルールを守るように注意や指示をしてきます。

裁判長の注意や指示に従わないと、今度は、退廷命令といって、法廷から出ていくように命令されます。退廷命令に従わないと、場合によっては裁判所の職員や警察官が法廷に入ってきて、強制的に退廷させられる可能性もあります。

さらに、裁判所の職務を妨害したとして、20日以下の監置若しくは30、000円以下の過料という罰を受けるおそれもあります(法廷等の秩序維持に関する法律2条)。それだけでなく、審判妨害罪という犯罪にあたるとして、1年以下の懲役若しくは禁錮又は1000円以下の罰金という刑事罰を受けるおそれもあります(裁判所法73条)。

このように、傍聴ルールをちゃんと守らないと色々な不利益を受けるおそれがあるので、注意しましょう。

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弁護士豊田友矢
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千葉県船橋市の船橋シーアクト法律事務所の代表弁護士 交通事故・離婚・不貞慰謝料・遺産相続・中小企業法務等の相談を多数取り扱っている。