離婚と弁護士

離婚にかかるお金・費用はいくら?【弁護士によるシミュレーション】

離婚にかかるお金・費用はいくら
離婚するとどれくらいお金がかかるの?
離婚にかかる費用について詳しく教えるね。
この記事でわかること
  • 離婚にかかるお金・費用一覧
  • 離婚費用のシミュレーション

離婚にかかるお金・費用一覧

離婚するのにかかる費用はいろんな種類のものがあります。

ここでは、その一覧を紹介します。

  • 法律で決められた離婚費用(財産分与・養育費・慰謝料)
  • 転居に伴う費用(引っ越し費用・家具家電・転校費用)
  • 離婚を成立させるためにかかる費用(公正証書作成費用・弁護士費用)
  • その他の離婚に関する費用(カウンセリング・興信所)

法律で決められた離婚費用

離婚とお金の問題は、法律で次の3つが定められています。

財産分与

財産分与は、結婚後に貯まった財産を、夫婦で分けます。

基本的に、半分ずつになります。

1000万円の財産があれば、500万円を渡すことになります。

養育費

子供の生活費用です。子供と一緒に暮らす親へ支払います。

子供の人数・年齢や夫婦の収入に応じて、支払う金額が決まります。

例えば、小学生の子供が1人、夫の収入が700万、妻の収入が100万円場合、養育費は月8万円前後となるのが普通です。

慰謝料

浮気やDVなどが原因で離婚になった場合には慰謝料を払います。

相場は100万円から250万円くらいです。

転居に伴う費用

離婚すると、別々に暮らすことになります。そのため、転居に伴う様々な費用がかかります。

引っ越し費用

離婚すると別々に暮らすので、引っ越し費用がかかります。

新しく家を借りる場合には、敷金・礼金・仲介手数料等もかかります。

引っ越し業者に払う費用が5~10万円くらい、新居の費用が30~50万円前後はかかることが多いでしょう。

家具・家電

転居先で使う家具・家電を新たに買う必要があります。

生活に必要最小限のものを買うとしても10万円から30万円程度はかかるでしょう。

子供の転校費用

転校先の制服代や教科書代がかかります。数万円程度でしょう。

離婚を成立させるためにかかる費用

離婚条件などでもめた場合や、離婚条件をきっちり決めておきたい場合には、次のような費用もかかります。

公正証書作成費用

離婚条件を定めた離婚協議書を公正証書にする場合に費用です。

公証役場で作成しますが、その際に公証人に手数料を払う必要があります。支払う財産の額に応じて手数料は変わりますが、大体3万円前後のことが多いでしょう。

公正証書の内容案の作成を弁護士や行政書士に依頼する場合には、さらに10万円前後がかかります。

離婚調停費用

夫婦間で、離婚の話し合いがまとまらないときは、家裁に調停を申し立てることができます。弁護士に依頼しない場合には、裁判所に払う手数料のみが発生します。

諸費用を合わせて、大体3000円前後になることが多いです。

離婚弁護士費用

離婚調停や離婚裁判を弁護士に依頼する場合にかかる費用です。

依頼する弁護士や、財産分与の金額に応じて、費用は異なります。

大体50万円~150万円くらいになることが多いです。

その他の離婚に関する費用

そのほかにも、離婚に関して様々な費用が必要なことがあります。

離婚カウンセリング費用・医療費用

離婚で精神的に落ち込んでしまいうつ状態になってしまった場合は、心療内科に通う方も多いです。また、法律的な事項以外の、離婚に関して精神的なケアを求めたい場合は、離婚カウンセラーを利用する方もいます。

これらを利用する場合には、医療費・カウンセリング費用もかかります。

興信所・探偵費用

離婚するため、慰謝料を請求するために、相手の浮気の証拠を集めることがあります。この際には、興信所・探偵を使う方が多いです。

これも費用は、調査期間等によって大きく異なりますが、数十万円から数百万円かかることがあります。

離婚費用のシミュレーション

  • 夫にかかる離婚費用
  • 妻にかかる離婚費用
  • 離婚するとなぜこんなにお金がかかるのか?
  • 離婚にかかる費用を最小化する方法

以下の事例で、離婚にかかる費用をシミュレーションしてみましょう。

  • 夫:40歳 妻:38歳
  • 子供1人 15歳
  • 収入:夫800万:妻100万
  • 貯金:1000万円(夫名義のみ)
  • 自宅:持ち家(夫名義・査定額1000万円・残ローン500万円)
  • 離婚原因:夫の浮気
  • 離婚後は、持ち家を売却し、それぞれ新しく家を借りる。
  • 妻は夫の浮気の調査を興信所に依頼
  • 夫婦とも弁護士に離婚調停を依頼
  • 親権は妻が取得して離婚成立

夫にかかる離婚費用

費用の項目 金額
財産分与(貯金・自宅) 750万円
養育費(22歳まで) 月9万円×7年=756万円
慰謝料 250万円
引っ越し費用 40万円
家具・家電費用 20万円
離婚弁護士費用 100万円
合計 1886万円

妻にかかる離婚費用

費用の項目 金額
引っ越し費用 50万円
家具・家電費用 30万円
子供の転校費用 10万円
離婚弁護士費用 200万円
興信所費用 100万円
合計 390万円

※このシミュレーションはあくまで一例で、必ずこの金額になるわけではありません。

離婚するとなぜこんなにお金がかかるのか?

まず、離婚しようがしまいが、家族が別居して生活する場合には、同居している場合よりも、かなり多くの生活費がかかります。

なので、離婚後の方が、双方の夫婦とも生活は厳しくなります。

また、離婚でもめた場合には、弁護士などにかかる費用もあるためお金がかかってしまうのです。

離婚にかかる費用を最小化する方法

離婚にかかる費用を最小化するためには、まず話し合いで、お互いが納得した条件で離婚をすることです。そうすれば弁護士費用や、裁判所に払う手数料は必要なくなります。

特に浮気やDVなどではなく、性格の不一致で離婚する場合には、まずは夫婦間で話し合いをして円満離婚の道を探ってみるのが良いです。

また、別居する際も、実家などに戻ることができるのであれば、転居費用も抑えられます。

ABOUT ME
弁護士豊田友矢
豊田 友矢
船橋シーアクト法律事務所の代表弁護士 千葉県弁護士会所属(第49837号) 交通事故・離婚・不貞慰謝料・遺産相続・中小企業法務等の相談を多数取り扱っている。