財産分与

財産分与の期限は離婚後2年以内!時効じゃなくて除斥期間

公開 2023.03.01 更新 2026.09.08
この記事を書いた人 弁護士 豊田 友矢 千葉県弁護士会所属 登録番号 49837
離婚後の財産分与は2年で時効?
目次
  1. 01離婚後の財産分与の期限(時効ではない)
  2. 財産分与の期限は離婚後2年以内
  3. よくある誤解!2年は時効ではなくて除斥期間
  4. 財産分与が確定している場合の時効は5年または10年
  5. 2年が過ぎてしまった場合は?
  6. 02財産分与の期限が問題になる離婚後の請求
  7. どうしても直ぐに離婚したくて離婚届を出した場合
  8. 財産分与を請求できることを知らなかった場合
  9. 貯金などの財産が隠されていた場合
  10. 住宅ローンの関係で家の名義を変更しなかった場合
  11. 03期限内でも財産分与の請求ができない場合とは?

この記事でわかること

  • 離婚後の財産分与の期限(時効ではない)
  • 財産分与の期限が問題になる離婚後の請求
  • 期限内でも財産分与の請求ができない場合とは?

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離婚後の財産分与の期限(時効ではない)

  • 財産分与の期限は離婚後2年以内
  • よくある誤解!2年は時効ではなくて除斥期間
  • 財産分与が確定している場合の時効は5年または10年
  • 2年が過ぎてしまった場合は?

財産分与の期限は離婚後2年以内

財産分与の申立ては離婚後2年以内にする必要があります(民法768条2項)。

期限は「離婚してから」2年なので、別居や離婚調停や離婚裁判で何年も経っていても、離婚してから2年経っていなければ財産分与を請求できます。

他方で、既に財産分与なしで離婚している場合には、離婚が成立してから2年間はあっという間に経ってしまうので、早めに動き出す必要があります。

よくある誤解!2年は時効ではなくて除斥期間

財産分の請求に期限があるか知りたい方は、「財産分与・時効」というワードで調べる方が多いです。

ところが、法律的には正確にいうと、財産分与の期間制限は「時効」ではなく、「除斥期間(じょせききかん)」というものです。

除斥期間は時効と違って、一定の期間(財産分与では2年)を経過した場合には、当然に権利が消滅してしまいます。内容証明を送ったり、相手が財産分与すること自体は認めて交渉に応じたりしていても、2年という期限をリセットしたり、延長したりすることができません。

そのため、離婚後2年以内に必ず財産分与の調停・審判を申し立てる必要があります。

財産分与が確定している場合の時効は5年または10年

離婚協議書で財産分与の合意をしている場合などは、相手が財産分与の支払をしていなくても、請求できるときから5年で時効になります(民法166条1項)。

離婚調停で財産分与も合意して調停調書を作成した場合、離婚訴訟で財産分与の判決をもらった場合は時効が5年ではなくて10年になります(民法169条1項)。ただし、調停調書で支払猶予期間を設けたり、離婚裁判で将来支払うことが命じられた場合(退職金)などは、5年のままになります(民法169条2項)。

このように、いったん離婚時に財産分与をすることが確定した場合には、その後2年以上経ってしまっても、確定した財産分与を請求することができます。

2年が過ぎてしまった場合は?

話し合いで任意の支払を求める

相手が任意に応じるのであれば、離婚後2年以上経っていても、財産分与を受けることができます。ただし、この場合、税務上財産分与とは認められず贈与税がかかる可能性があるので注意が必要です。

共有物分割請求をする

離婚後に2年経っても、夫婦の共有名義の財産(自宅不動産など)がある場合には、共有物分割請求を請求できることがあります。

財産分与の期限が問題になる離婚後の請求

財産分与の期限が問題になるのは、先に離婚してから、後になって財産分与を求める場合です。以下のような場合には、あとから財産分与を請求することもあります。

  • どうしても直ぐに離婚したくて離婚届を出した場合
  • 財産分与を請求できることを知らなかった場合
  • 貯金などの財産が隠されていた場合
  • 住宅ローンの関係で家の名義を変更しなかった場合

どうしても直ぐに離婚したくて離婚届を出した場合

とにかく早く籍を抜けたいといった理由で、お金のことについては一切協議することなく、離婚届を提出してしまうケースは、珍しくありません。

このような場合、離婚後、少し経って気持ちが落ち着いてから、財産分与の請求をしなかったことを後悔して、あとから請求することがあります。

財産分与を請求できることを知らなかった場合

財産分与という概念自体を知らなかったというケースは、現代ではあまりないと思います。

ただ、例えば、夫婦共働きで、それぞれの収入と貯金があったから財産分与はないと考えていたケース、浮気など自分の行為が原因で離婚に至ったから財産分与は請求できないと考えていたケースなど、実際には財産分与を請求できたにも関わらず、それを知らなかったということはあります。

離婚後に、周りの人から話を聞いたり、ネットで調べるなどして、実は財産分与を請求できることを知ったというケースがあります。

貯金などの財産が隠されていた場合

財産分与についてはしっかりと理解していても、元配偶者が預貯金や株式を隠していて、共有財産がほとんどないと思い込んでしまったケースです。

離婚後に、何らかの理由で、元配偶者が財産を隠していたことが発覚したり、発覚しなくても結婚中の収入と支出からしたらあきらかにおかしいとわかったケースです。

住宅ローンの関係で家の名義を変更しなかった場合

住宅ローンの残債が残っている場合には、住宅ローンの借入先である銀行との契約の関係で、離婚時に自宅の名義を移せないことが多いです。

この場合、離婚時には自宅の財産分与はしないで、そのままにしておくことがあります。

住宅ローンを完済した場合には、名義変更するという言葉を信じて、離婚したが、協議書や調停調書で何の取り決めもしていない場合、約束が守られるかわかりません。

そのため、離婚後に不安になり財産分与を求めるケースがあります。

期限内でも財産分与の請求ができない場合とは?

離婚後では財産分与の請求ができないケースもあります。

それは、離婚時に財産分与をしないことで合意している場合です。例えば、離婚時に、離婚協議書や、調停調書で、財産分与は請求しない条項を定めたり、他に債権債務がないことを確認する条項(清算条項)を定めたりしている場合です。

この場合、一度財産分与をしないことに双方が合意した以上、離婚後に財産分与を請求することはできません。

 

執筆者

代表弁護士 豊田 友矢

千葉県弁護士会所属 登録番号 49837

相談の受付から解決まで、すべて代表弁護士の豊田が直接担当します。初めて弁護士に相談される方でも話しやすい雰囲気を心がけています。

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