民事裁判コラム

初めての裁判傍聴のやり方|日程確認の方法や服装・メモの仕方など

初めての裁判傍聴

裁判所に行けば、誰でも公開中の裁判を傍聴することができます。

この記事では、弁護士が、初めて裁判傍聴をする方のために、裁判傍聴のやり方注意点を説明します。

この記事でわかること
  • 傍聴する裁判日程の確認方法
  • 初めて裁判所に行くときの注意点|服装持ち物
  • 裁判傍聴のやり方法廷内での注意点

裁判傍聴するには、まず裁判の日程を確認する

スケジュールは開廷表や裁判所HPで確認

裁判所にある開廷表には、当日に傍聴できる裁判スケジュールが載っています。開廷表を見た上で、傍聴したい事件を選ぶことができます。この開廷表は、裁判所の1階の受付に置いてあったり、壁に貼られています。

なお、裁判員裁判については、裁判が行なわれる1,2ヶ月前から、裁判所のホームページにスケジュールが掲載されています。そのため、裁判所で開廷表を見なくとも事前に確認することができます。

傍聴券の抽選に当たらないと傍聴できない事件も

新聞やTVで報道されている大きな事件は、傍聴希望者がたくさんいるため、希望者全員が法廷に入りきれません。そのため、裁判当日に裁判所へ来訪し傍聴を希望した人の中で抽選を行ないます。抽選に当選すると傍聴券が配られ、傍聴券を持っていない人は傍聴できません。なお、席が足りないからといって、裁判の立ち見はできません

抽選により傍聴券を交付する事件は裁判所のホームページに掲載されているので、傍聴券が必要な事件かどうかは事前に確認できます。

裁判傍聴は事前申込み不要、予約は不可

裁判傍聴をするのに事前申込み一切不要です。当日裁判所へ行けば、抽選が必要な事件以外は自由に傍聴できます。そもそも、事前申込み制度がありませんし、裁判傍聴の予約をすることもできません。

なお、当然ですが裁判傍聴の料金は一切かかりません。

土日・祝日は傍聴できない|平日10時から午後5時まで

裁判は平日の月曜~金曜の午前10時頃から午後5時の間(12時~午後1時は休みです)に行なわれています。そのため、土日・祝日は裁判傍聴をすることはできません。

初めて裁判所に行くときの注意点|服装や持ち物

裁判傍聴に行くときの服装は自由!

裁判所や法廷に入るときの服装は、自由です。

以前は新型コロナウイルス感染防止のため、マスクを着けるように案内が出ていた時期もありますが、現在は任意です。

年齢制限はなし|小学生や中学生も傍聴可能

裁判傍聴に年齢制限はありません。法廷内で静かにしていられれば、小学生・中学生・高校生など何歳でも傍聴可能です。

持ち物は手荷物検査される|危険物などは持ち込み不可

最近は危険物の持ち込みを防止するために、裁判所内に入るときに手荷物検査をしていることが多いです。千葉地方裁判所でも、ゲート式の金属探知機X線手荷物検査機を使った検査が行われています。

まず、明らかに凶器と分かるようなもの(包丁、銃、木刀など)はもちろん、はさみカッターなども凶器になり得るので、持ち込むことはできません。

カメラレコーダーも、裁判所では写真撮影や録音が禁止されているので、建前上持ち込むことは禁止されています。ただし、カバンに入れたままであれば、持ち込みは許されています。カバンからは出さないようにしておきましょう。法廷内だけでなく敷地内も撮影や録音禁止です。

なお、スマホパソコンは裁判所内に持ち込むことができます。

また、危険防止のために、長い傘などは法廷に持ち込むことができません。鍵付きの傘立てが置いてあることが多いので、利用しましょう。

手荷物検査を拒否したり、ルールに違反すると、最悪裁判所に入れない可能性があります。

裁判傍聴のやり方と法廷内での注意点

  • 法廷の入口に傍聴の注意事項が貼ってある
  • 法廷内へは裁判の途中で入室・退室可能
  • 写真撮影・録音は禁止
  • メモの取り方について
  • 法廷では静かにしないといけない
  • 傍聴のルールや裁判長の指示を守らないと強制退廷も

法廷の入口に傍聴の注意事項が貼ってある

法廷の入口には、だいたい次のような注意事項が貼ってあるので、確認しておきましょう。

注意事項

  • 服装を整え、鉢巻き、ゼッケン、たすき、腕章、その他これに類する物を着用しないこと。
  • 危険物、旗、のぼり、プラカード、ヘルメットなどを持ち込まないこと。
  • 裁判長の許可を受けないで写真撮影、録音、放送をしないこと。
  • 静かにし、発言、拍手など騒がしい言動をしないこと。
  • 開廷中みだりに自席を離れたり、不体裁な行いをしないこと。
  • その他裁判長の命令及び裁判長の命を受けた裁判所職員の指示に従うこと。
  • 以上のことに違反した者は、入廷を禁止され、又は退廷を命ぜられるほか、処罰されることがあります。

法廷内へは裁判の途中で入室・退室可能

裁判は公開されているので、審理中の裁判でも途中から法廷に入ったり途中で法廷から出たりすることができます。

ただし、法廷では、厳粛に審理が行われているで、必要もないのに何度も出入りすると、裁判の妨げになるので注意しましょう。

写真撮影・録音は禁止

法廷では、裁判長の許可がないと、撮影録音をすることはできません。裁判長が撮影を許可するのは、審理が始まる前にTV撮影する時ぐらいなので、一般の人に撮影や録音の許可が出ることはまずありません。

メモの取り方について

メモを取ることは認められています。メモの取り方としては、紙にペンで書くだけでなく、パソコンを使用してタイピングでメモしてもOKです。

法廷では静かにしないといけない

法廷では、審理の邪魔になるぐらいの声で他の人と会話したり、裁判長や当事者に向けて発言したり、拍手をしたりすることは禁止されています。スマホも鳴らないように電源を切るかマナーモードにしておきましょう。

また、法廷内で飲み物を飲むことも基本的にはやめた方がよいでしょう。注意される可能性があります。

傍聴のルールや裁判長の指示を守らないと強制退廷も

裁判長には、法廷の秩序維持のために退廷命令その他必要な処置をすることが法律で認められています。ですので、傍聴ルールに違反すると、裁判長がルールを守るように注意や指示をしてきます。

裁判長の注意や指示に従わないと、今度は、退廷命令といって、法廷から出ていくように命令されます。退廷命令に従わないと、場合によっては裁判所の職員警察官が法廷に入ってきて、強制的に退廷させられる可能性もあります。

さらに、裁判所の職務を妨害したとして、20日以下の監置若しくは30,000円以下の過料という罰を受けるおそれもあります(法廷等の秩序維持に関する法律2条)。それだけでなく、審判妨害罪という犯罪にあたるとして、1年以下の懲役若しくは禁錮又は1,000円以下の罰金という刑事罰を受けるおそれもあります(裁判所法73条)。

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弁護士豊田友矢
豊田 友矢
船橋シーアクト法律事務所の代表弁護士 千葉県弁護士会所属(第49837号) 交通事故・離婚・不貞慰謝料・遺産相続・中小企業法務等の相談を多数取り扱っている。