この記事の結論
- 不倫を解消したことについて、手切れ金を払う法的な義務は、原則としてありません。
- 例外は3つ。破綻していた、長期間くり返し結婚を約束していた、独身だと偽っていた場合です。
- 義務がなくても、話を早く終わらせるために払うという選択はあります。ただし、言われるまま応じると繰り返されます。
不倫をやめようとしたら、相手から手切れ金を求められた。
払わなければならないのか。ここには、法律上の義務の話と、払うかどうかの判断という、別々の話が混ざっています。順に分けて説明します。
手切れ金には2つの意味がある
手切れ金は法律用語ではありません。使われ方が2通りあります。
| 慰謝料としての手切れ金 | 関係を一方的に切られた精神的苦痛への償い。義務があるかどうかの話 |
|---|---|
| 解決金としての手切れ金 | 関係を終わらせるために渡すお金。義務とは関係なく、払うかどうかの話 |
相手が「払うのが当然だ」と言ってくるとき、この2つが区別されていないことがほとんどです。
義務が生じるのはどんな関係か
一方的に関係を切ったことで慰謝料の義務が生じるのは、法律が守っている関係を壊した場合です。
- 夫婦
- 婚約している関係
- 内縁(事実上の夫婦)
これ以外は含まれません。単に交際している男女や、愛人関係は、法律が守っている関係ではありません。一方的に別れを告げられても、原則として慰謝料も手切れ金も発生しません。
不倫関係を解消した場合
原則として、払う義務はありません。
不倫関係も、法律が守る関係にはあたらないためです。
「結婚しよう」と話していた場合でも同じです。婚姻中に別の人と婚約をしても、法律上の婚約とは扱われません。
例外として義務が生じる場合
次のような事情があると、慰謝料が認められることがあります。
- 配偶者との婚姻関係が、すでに完全に破綻していた
- 結婚すると、長期間くり返し伝え続けていた
- 独身だと偽っていた
いずれも、相手が関係の継続を信じるだけの理由をこちらが作っていた場合です。
義務がなければ、払わなくてよいのか
ここからは、義務の話ではなく判断の話です。
解決金としての手切れ金には、払う義務があるかどうかという問題がありません。払ったほうが早く終わるなら払う、という性質のものです。
不倫をした落ち度がある以上、相手から配偶者に伝えられれば困ります。穏便に、早く終わらせたいという事情はあるはずです。
言われるままに応じないでください
一度払うと、次があります。金額を吊り上げられ、何度も求められることになりかねません。払うと決めるなら、これで終わりにする形を作ったうえで払う必要があります。
払う・払わないの前に、いま相手が言っていることが法的な請求なのか、それとも交渉なのかを見分けることが先です。
請求されたら、応じる前にご相談ください
義務があるのかないのか、払うとしていくらが妥当か、どう終わらせるか。この3つは別々の判断です。ご自身で答えてしまう前にお聞かせいただければ、順に整理できます。
