最近はサラリーマンの副業が流行っているね。今回は、副業のバイトがバレてクビになったので、会社を訴えた話を紹介するよ。
副業がバレてクビになるまでのいきさつ
運送業者で働いていたAさん
Aさんは運送業者のY社でサラリーマンとして働いていました。
仕事内容は、家電をメーカーから小売店に配送する仕事でした。
ある日従業員が休んだので社長が配送に行くと・・・
ある日、Y社の従業員が事故に遭って休みをとりました。
するとY社の社長が、
と言って、家電を小売店まで配送しました。
社長が小売店に配送に行くと、そこで小売店の社員から思いも寄らぬことを頼まれたのです。
社長がリサイクルショップでAさんを目撃
社長は、Aさんが小売店から引き取った廃棄家電をリサイクルショップに売っていると考えました。
そこで社長は、タイミングを見計らって、リサイクルショップへ赴きました。
すると、ちょうどAさんが廃棄家電をリサイクルショップに渡しているところを目撃したのです。
社長は、Aさんがいなくなると、リサイクルショップの店員に事情を聴取しました。
すると、Aさんは廃棄家電を売って、お金をもらっていることが発覚したのです。
怒った社長がクビを宣告
社長は、Aさんが業務時間中に取引先から廃棄家電を受け取ってリサイクルショップに売るというバイトをしていたことを知って、怒りました。
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こうして、Y社はAさんに懲戒解雇通知書を渡して、Aさんを解雇しました。
懲戒解雇通知書
- Aさんは長年にわたり運送先から廃棄家電を受け取ってリサイクルショップに売るというバイトをしていた
- そのバイトは勤務時間中に会社の車を使ってしていた
- 職務専念義務に違反する
- Y社の就業規則24条と27条に違反するから懲戒解雇事由がある
Aさんは解雇は無効だと会社を訴えた
クビになったAさんはY社の主張には納得できないこともあり、解雇の有効性を争って裁判をしました。
裁判でのY会社の主張とは・・・
裁判でY社は、Aさんの解雇が有効だと言うために、様々な主張をしました。
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それでも裁判の結果、解雇は無効に!
裁判では、次の事実が認定されました。
- Y社は就業規則24条と27条違反と言うが、証拠として提出した就業規則の24条・27条は、なんと全く関係ない条項だった。そうすると、解雇した当時就業規則はなかったのではないか。
- Aさんが認めた年1、2回以上にバイトをしていた証拠はない。
- Y社はAさんに事実関係の確認などもせずにいきなり解雇している
- AさんはY社の社長がこのバイトを黙認していると考えていた
判決
Aさんの勝ち。解雇は無効。
理由
- 解雇当時就業規則がなかったのだから、懲戒解雇は無効
- 年1、2回だけバイトをしたことしか認められないことと、Aさんが社長がバイトを黙認していたと考えていたことからすれば、今回の解雇は濫用であり、普通解雇としても無効
副業がどのような場合に禁止されているか確認しよう
最近は、副業を認める会社が増えていますが、無制限で副業を認めている会社は少ないです。
少なくとも、勤務先の業務に支障が出たり、損害を与えないような限度で副業が認められていることが多いでしょう。
勤務先の就業規則などを確認して、どの程度副業が認められているかどうか確認するのが大切です。
また、副業がバレたことが理由で解雇されたときには、解雇の有効性を争って会社と戦うか、転職するのであれば最初から副業を認めている会社を選ぶのが大切です。