養育費

離婚後の養育費の相場と平均額はいくら?|年収別・子どもの人数別一覧

年収・子どもの人数別養育費の相場のすべて
目次
  1. 実際に払われた養育費の平均額(厚生労働省調査)
  2. 裁判所で決まった養育費の金額(裁判所調査)
  3. 子どもの年齢別・裁判所で決めた養育費(裁判所調査)
  4. 厚生労働省と裁判所の調査結果からわかること
  5. 平均額を見てもあまり意味ない?大事なのは収入毎の相場
  6. 養育費の相場|年収別
  7. 養育費の相場|子どもの人数別
  8. 養育費の相場|養育費の月額別
  9. 養育費の相場|手取り月収別

実際に払われた養育費の平均額(厚生労働省調査)

まず、最新の厚生労働省の調査(令和3年度全国ひとり親世帯等調査:PDFはこちら)の結果をみてみましょう。

この調査は、厚生労働省が、母子家庭や父子家庭の人に、実際にいくら養育費をもらっているかを実際に調査した結果です。

ですので、この調査結果を見れば、理論上の養育費の額や、裁判所で命じられた額などではなく、現実問題として、離婚後にいくら養育費を受け取っているのかがわかることになります。

子どもの人数別・母子世帯の養育費平均月額(2021年)

子どもの人数 1人 2人 3人 4人 5人 全平均
養育費月額 40,468円 57,954円 87,300円 70,503円 54,191円 50,485円

子どもの人数別・父子世帯の養育費平均月額(2021年)

子どもの人数 1人 2人 3人 4人 5人 全平均
養育費月額 22,857円 28,777円 37,161円 26,992円

このように、母子家庭(母親が親権者になった場合)の養育費の平均額は、月額50,485円となっています。

他方で、父子家庭の場合の養育費の平均額は、月額26,992円となっています。

いずれも、基本的には子どもが増えるにつれて、養育費が増える傾向にあることがわかります。

なお、この表ですと、子どもが4人以上いる場合は逆に養育費の額が減っていますが、子ども4人以上の家庭が少ないため調査回答者も少なく、それほど参考にはならないかと思います。

さらに、平成28年(2016年)の調査結果も見てみましょう。

子どもの人数別・母子世帯の養育費平均月額(2016年)

子どもの人数 1人 2人 3人 4人 5人 全平均
養育費月額 38,207円 48,090円 57,739円 68,000円 43,707円

子どもの人数別。父子世帯の養育費平均月額(2016年)

子どもの人数 1人 2人 3人 4人 5人 全平均
養育費月額 29,375円 32,222円 42,000円 32,550

この5年間で実際に払われている養育費の平均額は上がっているようです。

なお、この額は1人分の養育費ではなく、あくまで子ども全員分の養育費の額です。

裁判所で決まった養育費の金額(裁判所調査)

令和4年(2022年)司法統計(家事)(PDFはこちら)第25表(「離婚」の調停成立又は調停に代わる審判事件のうち母を監護者と定めた未成年の子有りの件数―夫から妻への養育費支払額別子の数別―全家庭裁判所)を見てみます。

これらの数値は、離婚調停が成立した際に決まった養育費の金額を裁判所が調査し公表しているものです。

また、養育費の額は1万円以下、2万円以下、4万円以下、6万円以下、8万円以下、10万円以下、10万円超、額不定に分類され、子どもの人数別に分類されたものもあります。

母子家庭の養育費月額(離婚調停)

養育費の月額 件数 割合 累計
総数 13,662
1万円以下 337 2% 2%
2万円以下 1,220 9% 11%
4万円以下 4,320 32% 43%
6万円以下 3,494 26% 69%
8万円以下 1,828 13% 82%
10万円以下 1,052 8% 90%
10万円超 1,409 10% 100%
額不定 2 0% 100%

離婚調停で決まった養育費の中央値は、月4万円超~6万円以下です。最頻値(もっとも多いケース)は、月2万円超~4万円以下となっています。

子ども1人・母子家庭の養育費月額(離婚調停)

養育費の月額 件数 割合 累計
総数 7,106
1万円以下 176 2% 2%
2万円以下 683 10% 12%
4万円以下 2,630 37% 49%
6万円以下 1,905 27% 76%
8万円以下 848 12% 88%
10万円以下 376 5% 93%
10万円超 487 7% 100%
額不定 1 0% 100%

子ども1人の場合に、離婚調停で決まった養育費の中央値は、月4万円超~6万円以下です。最頻値(もっとも多いケース)は、月2万円超~4万円以下となっています。

子ども2人・母子家庭の養育費月額(離婚調停)

養育費の月額 件数 割合 累計
総数 4,966
1万円以下 117 2% 2%
2万円以下 381 8% 10%
4万円以下 1,362 27% 37%
6万円以下 1,266 25% 63%
8万円以下 776 16% 79%
10万円以下 454 9% 88%
10万円超 609 12% 100%
額不定 1 0% 100%

子ども2人の場合に、離婚調停で決まった養育費の中央値は、月4万円超~6万円以下です。最頻値(もっとも多いケース)は、月2万円超~4万円以下となっています。

中央値と最頻値は子ども1人の場合と同じですが、子ども2人の場合には月6万円超も4割近い割合(37%)となっています

子ども3人・母子家庭の養育費月額(離婚調停)

養育費の月額 件数 割合 累計
総数 1,350
1万円以下 39 3% 3%
2万円以下 122 9% 12%
4万円以下 287 21% 33%
6万円以下 279 21% 54%
8万円以下 159 12% 66%
10万円以下 199 15% 80%
10万円超 265 20% 100%
額不定 0 0% 100%

子ども3人の場合に、離婚調停で決まった養育費の中央値は、月4万円超~6万円以下です。最頻値(もっとも多いケース)は、月2万円超~4万円以下となっていますが、月4万超~6万円以下の割合もほぼ同じです。

子ども4人・母子家庭の養育費月額(離婚調停)

養育費の月額 件数 割合 累計
総数 215
1万円以下 4 2% 2%
2万円以下 30 14% 16%
4万円以下 41 19% 35%
6万円以下 39 18% 53%
8万円以下 39 18% 71%
10万円以下 21 10% 81%
10万円超 41 19% 100%
額不定 0 0% 100%

子ども4人の場合に、離婚調停で決まった養育費の中央値は、月4万円超~6万円以下です。最頻値(もっとも多いケース)は、月2万円超~4万円以下となっていますが、月4万円超え6万円以下と6万円超え~8万円以下の割合もほぼ同じです(それぞれ19%・18%・18%)。

子ども5人以上・母子家庭の養育費月額(離婚調停)

養育費の月額 件数 割合 累計
総数 25
1万円以下 1 4% 4%
2万円以下 4 16% 20%
4万円以下 0 0% 20%
6万円以下 5 20% 40%
8万円以下 6 24% 64%
10万円以下 2 8% 72%
10万円超 7 28% 100%
額不定 0 0% 100%

子ども5人以上の場合に、離婚調停で決まった養育費の中央値は、月6万円超~8万円以下です。最頻値(もっとも多いケース)は、月10万円超となっています。ただし、子ども5人以上の総数は25件しかないので、他の調査結果ほど一般化できないものと考えられます。

子どもの年齢別・裁判所で決めた養育費(裁判所調査)

次に、令和4年(2022年)司法統計(家事)第42表(子の監護事件のうち認容・調停成立の内容が養育費・扶養料支払の取決め有り(父が支払者)の件数―支払額別子の性別及び年齢別―全家庭裁判所)を見てみます。

これは、養育費に関する調停や審判で決めた養育費の額です。離婚してから養育費を初めて決めた場合や、養育費の増額・減額を求めた結果決まった額ということになります。

なお、こちらの方は、子どもの年齢別に分類されています。

1万円以下 2万円以下 4万円以下 6万円以下 8万円以下 10万円以下 10万円超え
0歳 26 121 247 88 18 8 4
1歳 35 123 261 79 12 5 8
2歳 59 130 224 66 11 5 5
3歳 40 161 245 63 16 1 6
4歳 59 174 246 44 21 9 6
5歳 76 197 236 82 17 6 6
6~9歳 305 788 1,002 253 58 25 29
10~14歳 350 824 1,118 337 91 27 62
15~19歳 214 467 750 307 152 51 118
20歳以上 12 25 55 41 16 8 16

この表を見ると、どの年齢でも、養育費の額で一番多いケースは、月額2万円超え~4万円以下になっています。

ただし、15歳以上になると月4万円超えの割合が増えています。これは養育費算定表上、15歳以上の方が養育費が高くなることが影響している物と考えられます。

厚生労働省と裁判所の調査結果からわかること

厚生労働省の調査結果からすれば、養育費の平均額は5万円程度ということはわかります。また、子どもの人数別でいうと、母子家庭で子どもが1人なら4万円程度、2人なら6万円弱が平均ということもわかります。

また、裁判所が公表している情報からも、養育費の月額は2~6万くらいの範囲にほとんど収まっていることがわかります。

厚生労働省や裁判所という公的機関が調査した結果なので、新陽はできるかと思います。

また、厚生労働省の調査は、合意した養育費の額ではなく、実際に支払われている額を調査していると言う意味では、より実態を反映したものといえるでしょう。ただし、あくまで任意の調査である以上、調査に協力的な人、つまり精神的、時間的余裕がある人の回答に偏っている可能性もあります。

他方で、裁判所の調査結果は、一部を抽出するのではなく、全ての事件を対象にしているので、偏りは少ないとはいえます。ただし、裁判所外で決められた養育費の額は一切反映されていません。そして裁判所外で決められた場合の方が、不当に高いor安い額になっている可能性はあります。さらに、調停で合意した養育費が、その後実際に支払われているかどうかは裁判所の調査結果からはわかりません。

平均額を見てもあまり意味ない?大事なのは収入毎の相場

ここまで養育費の平均額を見てきました。

これらの調査結果は、子どもの人数・年齢に着目して平均額を算出しています。

ところが、養育費の金額に最も影響があるのは、子どもの人数・年齢よりも、養育費を払う側ともらう側の年収です。

つまり、年収を無視して、平均額を見ても実はほとんど意味はないのです。

年収別の養育費の額についての調査結果は残念ながらありません。

もっとも、算定表を使えば、年収毎の養育費の相場を知ることはできます。

以下では年収を考慮して、具体的な年収別・子どもの年収別・養育費の月額別・手取り月収別の養育費の相場を説明しますので、気になる記事を選んでクリックしてください。

養育費の相場|年収別

払う側の年収200万円

年収200万円の養育費

払う側の年収250万円

年収250万円の養育費

払う側の年収300万円

年収300万円の養育費

払う側の年収400万円

年収400万円の養育費

払う側の年収450万円

年収450万円の養育費

払う側の年収500万円

年収500万円の養育費

払う側の年収600万円

年収600万円の人が払う養育費の相場|子どもの人数・年齢と相手の収入別一覧

払う側の年収650万円

年収650万円の養育費

払う側の年収700万円

年収700万円の養育費

払う側の年収750万円

年収750万円の養育費

払う側の年収800万円

年収800万円の養育費

払う側の年収900万円

年収900万円の養育費

払う側の年収1000万円

年収1000万円の養育費

払う側の年収1200万円

年収1200万円の養育費

払う側の年収1500万円

年収1500万円の養育費

払う側の年収2000万円

年収2000万円の養育費

払う側の年収2000万円超え(3000万・4000万など)

年収3000万・4000万の養育費の相場

養育費の相場|子どもの人数別

子ども1人

子ども1人の養育費

子ども2人

子ども2人の養育費

子ども3人

子ども3人の養育費

養育費の相場|養育費の月額別

月3万円

3万円の養育費と年収

月5万円

5万円の養育費と年収

月6万・7万・8万円

月6万・7万・8万の養育費と年収

月10万円

10万円の養育費と年収

月20万円

20万円の養育費と年収

養育費の相場|手取り月収別

手取り20万円と養育費

手取り20万円の養育費

手取り25万円と養育費

手取り25万円の養育費

手取り30万円と養育費

手取り30万円の養育費

手取り17万円と養育費

手取り17万円で養育費払えるのでしょうか?
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弁護士 豊田 友矢
千葉県船橋市の船橋シーアクト法律事務所の代表弁護士 離婚・不貞慰謝料・遺産相続・交通事故・中小企業法務等の相談を多数取り扱っている。