交通事故の治療費はいつまで支払ってもらえるのか?
交通事故の被害にあってケガを負ってしまった場合、病院へ入通院を開始することになります。
入通院をすると当然治療費がかかりますが、被害者の過失が大きくない限りは、加害者の保険会社が直接病院へ治療費を払うことになることが多いです。
そうすると、交通事故の被害にあった方は、手元からお金を支払うことなく病院へ通院している状態になります。
このような状態で、一体いつまで保険会社は治療費を払ってくれるのか?入通院にかかった費用は全て相手の保険会社が負担するのか?について心配しながら通院される方がとても多いです。
そこで、この記事では、交通事故の治療費はいつまで相手保険会社に支払ってもらえるのかについて解説します。
治療終了後に通院を再開した場合に治療費は?
ごくまれですが、いったん症状が良くなったと思い治療を終了したが、しばらくして、また症状がでてきたため通院を再開したいと考える方もいらっしゃいます。
しかしながら、このような場合は、通院を再開したあとの治療費を保険会社に払わせることは、一般的にはかなり困難です。
一般的にケガによる症状は、事故時が一番重く、治療と時間の経過により、少しずつ良くなっていくものと考えられています。
そのため、いったん治療を終了した時点で、症状が改善したと考えられてしまい、その後の症状悪化は事故との因果関係に疑いが生じてしまいます。
あとになって、治療を終了した週だけはたまたま症状が軽かったとしても、その後の治療費を請求できず、後悔するはめになります。
ですので、症状が少し改善したと思っても、勝手な判断で通院を止めることなく、主治医と相談して、1,2週間は様子を見るなどした方が良いでしょう。
治療費の支払を打ち切られた後の治療費は?
保険会社から治療費の支払を打ち切られたあとに通院するためには、健康保険に切り替えるなどして自費で通院をする必要があります。
それでは、自費で支払った通院費用を、その後保険会社に請求できるのでしょうか?
もちろん、請求自体はできますが、それが認められるかどうかは、事故との因果関係が認められるかどうかに関わってきます。
保険会社は、打切り後の治療費は因果関係がないと暫定的に判断しているからこそ治療費を打ち切っているので、その後の治療費を認めさせることは簡単ではありません。
単に払ってくださいと言うだけでは払ってくれないことも多いです。
治療費打切り後の自費治療費を認めさせるためには、事故と因果関係のある治療で、かつ、症状固定にいたっていないことを、医療記録などとともに説得的に主張する必要があります。
症状固定になった後の治療費は?
症状固定後の治療費は、原則として認められません。
そもそも症状固定というのは、これ以上治療をしても改善しないという時期のことをいうので、それ以降の治療は必要性がないと考えられるからです。
しかしながら、怪我の種類や後遺症の内容によっては、症状を悪化させないために治療を継続する必要が認められる場合もあります。
この判断はかなり難しいので、弁護士に相談されるのが良いでしょう。
治療費について不安があったら弁護士に相談を
交通事故にあった時の治療費の問題は簡単ではありません。
事故でケガをして治療をしている以上、治療費は加害者が全て負担して当然だと考える方も多いです。
その気持ちはとても理解できるのですが、損害賠償の世界では、どの程度の損害を加害者に負担させるのが公平化という観点から、必ずしも実際にかかった治療費の全てが認められるわけではありません。
治療費の負担については、様々な争点があり、医学的・法的な知識が必要になりますので、交通事故に詳しい弁護士に相談されることをおすすめします。